正解は、Windows Server 2012 R2(およびそれ以前のバージョン)にはあった「カスターマーエクスペリエンス向上プログラム(Customer Experience Improvement Program:CEIP)」の設定が、Windows Server 2016から削除されていることです。そして、CEIPの設定があった場所は「フィードバックと診断(製品利用者統計情報)」に置き換わっています(画面3、画面4)。
CEIPの目的は、ユーザーが製品をどのように利用しているかの統計情報を収集することでした。CEIPの削除については、以下の「Features Removed or Deprecated in Windows Server 2016(Windows Server 2016から削除または推奨されなくなった機能)」のドキュメントにしっかり書かれています。
SQM
The opt-in components that manage participation in the Customer Experience Improvement Program have been removed.
「SQM」は「Software Quality Metrics」の略称で、マイクロソフトではCEIPをSQMと呼ぶことがあるようです。CEIPの既定の設定は「不参加」であり、利用者が明示的に参加設定しなければ、マイクロソフトに統計情報が送信されることはないという“オプトイン”設定です。
では、CEIPを置き換えることになった「フィードバックと診断(製品利用者統計情報)」とは何者なのでしょか。サーバーマネージャーで「設定」をクリックすると、「設定」アプリの「プライバシー」にある「フィードバックと診断」が開きます。
既定では、「フィードバックの間隔:自動(推奨)」「診断データと使用状況データ:基本」になっています。そして、「フィードバックの間隔:なし」は選択できますが、「診断データと使用状況データ:なし」という選択肢はありません(画面5)。
実は、この新しい設定項目については、Windows Server 2016の新規インストール時やアップグレード時に表示される「適用される通知とライセンス条項」の「重要なお知らせ」で説明されています(画面6)。CEIPはオプトイン設定でしたが、「診断データと使用状況データ」のマイクロソフトへの自動送信は、情報収集のレベルを選択することは可能ですが“オプトアウトはできない”方針に変わったのです。
「重要なお知らせ」の情報収集設定には「セキュリティ」「基本」「拡張」「完全」の4つの設定があり、既定は「拡張」と書いてあります。しかし、実際の既定は「基本」になっていました。この不一致が気になるところではありますが、それよりも「セキュリティ」という項目が選択肢に存在しないことの方が気になります。情報収集を完全にオフにできないなら、最小限の「セキュリティ」にしたいという要望は多いのではないでしょうか。
情報収集レベルを「セキュリティ」にするには、「ローカルコンピューターポリシー」や「グループポリシー」を使用して、以下のポリシーで構成します(画面7)。後は、ポリシーの設定通りに動作してくれることを信じるだけです。
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