IBMが、GitHubとSlackなどとのツール間連携を容易にするBluemixの新サービス「IBM Bluemix Continuous Delivery」を発表。ツール間を取り持つ中央ハブ的に機能することで、ツールチェーンの構成を容易にする。クラウドベースアプリのDevOps化実現に寄与できるという。
米IBMは2016年12月6日(米国時間)、同社のPaaS(Platform as a Service)「Bluemix」向けの新サービス「IBM Bluemix Continuous Delivery(以下、Bluemix Continuous Delivery)」を発表した。開発者はBluemix Continuous Deliveryにより、「GitHub」や「Slack」などとのツールチェーンを容易に構築できるようになるという。
ツールチェーンとは、アプリケーションの開発、デプロイ、運用タスクを支援する一連の統合されたDevOpsツールセットのこと。通常、さまざまなベンダーの製品やオープンソースソリューションを組み合わせて構成するアプリケーションでは、ツールチェーンの統合、メンテナンス、デプロイの行程が複雑化するために、どうしても工数を要してしまうことが課題となっていた。
そこでBluemix Continuous Deliveryでは、こういった構成でのツールチェーン構築、管理、スケーリングを行うための中央ハブ的機能を提供する。構成されるコンポーネントの1つである「Delivery Pipeline」によって、ビルド、テスト、デプロイを自動化する他、アプリケーションの稼働前に問題を検出できる機能を用意した。
この他、マイクロサービス、コンテナ、クラウドネイティブアプリケーションのビルド高速化を支援する多数のツールチェーンテンプレートも提供する。テンプレートには、GitHubやSlackの他、「PagerDuty」「Sauce Labs」といった人気ソリューション/ツールと統合されたツールチェーンが含まれている。開発者自らがカスタムツールチェーンを容易に作成できるようにすることで、プロジェクトごとに新しいツールチェーンを立ち上げて構成するといった工数を掛けることなく、アプリ開発に専念できるようにするのが狙いだ。
また、「Availability Monitoring」サービスを利用することで、アプリケーションの更新時に「アプリケーションが正しく動作することを確認」できる機能も用意される。Availability Monitoringは週7日/24時間稼働し、全世界からアクセスでき、ユーザーの実利用シーンを想定したシミュレーションテストをクラウド上で実行できるサービス。特に、WebアプリケーションやREST API(REpresentational State Transfer Application Programming Interface)の問題検出に役立つという。
なお、IBMとSlackは2016年10月に提携を発表しており、新サービスのユーザーはこの提携による成果の恩恵も受けられる。この提携では、SlackとIBMの「Watson」を利用したコミュニケーションツールの開発などが計画されている。
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