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» 2016年12月09日 05時00分 公開

Azure DevTest Labs由来の自動シャットダウン機能がAzure仮想マシンで利用可能にMicrosoft Azure最新機能フォローアップ(27)(2/2 ページ)

[山市良,テクニカルライター]
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IaaS上での評価にはオリジナルの「Azure DevTest Labs」がお勧め

 Azure DevTest Labsは、Microsoft Azureのサブスクリプション管理者がアプリケーション開発者に対して、アプリケーションの開発およびテストに適した環境をMicrosoft AzureのIaaS上にセルフサービスで提供することを目的としたサービスです。Azure DevTest Labsは2016年5月に正式提供が開始されました。このサービスは無料で利用可能です(画面3)。

画面3 画面3 「Azure DevTest Labs」を使用すると、開発者にセルフサービスでIaaS環境を利用させつつ、ムダな課金が発生しないようにポリシーで制限を加えることができる

 Azure DevTest Labsはチームでの開発やテストをIaaS環境で行うのに便利なサービスですが、個人でIaaSを評価環境するという場合でもコストの抑制やデプロイの簡素化に大いに役立ちます。ARMデプロイモデルはちょっと難しいと思っている人には特にお勧めです。

 Azure DevTest Labsは1つのAzureサブスクリプションに複数のラボを作成することができ、開発者に対してセルフサービスによるIaaSの使用環境を提供できます。サブスクリプション管理者は、ラボ内で利用可能な仮想マシンのサイズ、ユーザー当たりの仮想マシン数、ラボ当たりの仮想マシン数、自動開始および自動シャットダウンのスケジュールを構成することができ、開発者が高額なサイズを使用して仮想マシンを無制限に作成、実行するのを防止できます(画面4)。

画面4 画面4 ラボ内で利用できる仮想マシンのサイズ、仮想マシン数、自動開始/自動シャットダウンスケジュールをポリシー管理できる

 サブスクリプション管理者は、「Azure Marketplace」に公開されている膨大なテンプレートから、ラボ内で利用可能なテンプレートを制限することができます。また、ローカルで作成したカスタムイメージをアップロードして、ラボ内で仮想マシンのテンプレート(ラボテンプレート)として利用可能にすることも可能です(画面5)。Azureポータルの標準機能ではカスタムイメージからのデプロイはできず、Azure PowerShellやARMテンプレートを使用する必要がありました。

画面5 画面5 カスタムイメージのアップロードは、自動生成されるWindows PowerShellのコマンドレットを実行するだけで完了

 ARMデプロイモデルは、以前のクラシックデプロイモデルと異なり、そのリソースグループを中心とした概念は多少難しいところがあります。Azure DevTest Labsを使用すると、ラボごとにリソースグループと仮想ネットワークが準備され、「DNSラベルの割り当て」(Azureポータルの既定ではDNSラベルは付与されない)などのARMの複雑な部分が隠され、仮想マシンのデプロイ操作が簡素化されます。

 ラボのユーザーは、サブスクリプション管理者に許可されたAzure Marketplace内のテンプレート、カスタムイメージ、以前のデプロイを保存した「式」から、仮想マシンを簡単にデプロイできます。「式」を使用すると、同じ構成の仮想マシンを仮想マシン名の指定だけで次々に作成することができます(画面6)。

画面6 画面6 ラボのユーザーはセルフサービスで許可されたテンプレート、カスタムイメージ、あるいは以前のデプロイの「式」を選択して、簡単に仮想マシンをデプロイできる

 また、実行中の仮想マシンに対して、開発やテストに役立つツールやアプリケーションを「アーティファクト(DevTest Labs向けリポジトリの成果物)」として簡単にインストールすることもできます(画面7)。ラボに対するARMテンプレートを用いたデプロイも記述が簡素化されます。ARMテンプレートに仮想マシンの有効期限を含めることもでき、有効期限が過ぎたときに仮想マシンを自動削除することもできます。

画面7 画面7 実行中の仮想マシンには、アーティファクトを適用することで、さまざまなツールやアプリケーションを自動展開できる

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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