IDCジャパンが、2016年第3四半期の国内サーバ市場動向を発表。サーバ市場は3四半期連続で出荷額/出荷台数が減少し、特にx86サーバ分野の低迷が続いている。
IDCジャパンは2016年12月19日、2016年第3四半期(7〜9月)の国内サーバ市場動向を発表した。市場規模は、対前年同期比15.4%減の991億円。出荷台数は、同8.6%減の13万2000台。3四半期連続で、全ての製品分野において出荷額/出荷台数ともに減少した。
製品分野別に見ると、サーバ市場全体の約8割を占めるx86サーバ分野の落ち込みが大きかった。出荷額は対前年同期比11.5%減の806億円、出荷台数は同8.2%減の13万1000台。平均単価も同3.6%のマイナスとなった。
x86サーバ分野の平均単価について、前四半期の2016年第2四半期では、「ODM(Original Design Manufacturing) Direct」と呼ばれる、メーカーへ直接発注する個別設計サーバの出荷台数比率が16.6%に上昇したことが下落要因の1つとされた。対して、今期の個別設計サーバの出荷台数比率は11.1%に低下している。
しかし、それでもx86サーバ分野全体の平均単価は下がっている。個別設計サーバの平均単価の対前年比で2.2%増だったのに対し、個別設計サーバを除いたx86サーバの平均単価は、対前年同期比4.1%減となった。IDCはこの要因を、一部のクラウドサービスプロバイダーでの大口案件で、ODM Directなどとの価格競争によって、平均単価が低下したためと推測している。
ベンダー別出荷額は、前四半期と同様に富士通が1位で、市場シェア25.5%を確保した。同社のメインフレーム販売は対前年同期比でプラス成長だったが、サーバ全体では2桁のマイナスだった。前年同期に大学向けのHPC(High Performance Computing)専用機の大型案件があったが、今期はそれを補うほどの案件がなかったためと見られている。
2位はNECで、上位ベンダーの中で唯一のプラス成長だった。市場シェアは23.2%。x86サーバで流通向けの大口案件が貢献したと見られている。
3位は日本ヒューレット・パッカード(14%)、4位は日立製作所(10.3%)、5位はデルテクノロジーズ(6.4%)、6位はIBM(4.2%)だった。いずれも対前年同期比2桁のマイナスだった。IBMは、前四半期の4位から6位に後退し、日立とデルが1つずつ順位を上げた。
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