HTTPで稼働しているWordPressサイトを常時SSL、HTTP/2化する方法(実践編)とにかく速いWordPress(16)(3/3 ページ)

» 2017年02月13日 05時00分 公開
[中村けん牛プライム・ストラテジー]
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混在コンテンツへの対処方法

 では、この混在コンテンツはどのように対処していけばよいか。その方法を紹介します。

「混在コンテンツの原因となるリソース」の見つけ方

 Webブラウザは「Google Chrome」を使います。「F12」キーか「設定」→「その他ツール」から、デベロッパーツールを起動します。

 「Network」タブに移り、フィルター入力窓に「mixed-content:all」と入力します。

 この状態で混在コンテンツであると思わしきページにアクセスすると、混在コンテンツの原因となっているリソースがリストアップされます(図4)。

photo 図4 混在コンテンツの原因となっているリソースがリストアップされた

 この情報をヒントにしてWordPressサイトの修正を行うとよいでしょう。

対処方法1:混在コンテンツとなっているリソースの呼び出し元がWordPressサイトのデータベースにあり、呼び出し先がWordPresサイトの内部にある場合

 リソースの呼び出し元がWordPressサイトのデータベースにある場合には、wp-cliコマンドを使って呼び出し先のURL文字列を「https://」に置換します。

cd /home/kusanagi/example.com/DocumentRoot
wp search-replace 'http://example.com' 'https://example.com'
wp-cliで該当部分の内容を置換する

対処方法2:混在コンテンツとなっているリソースの呼び出し元がWordPressサイトのテーマやプラグインなどのファイルにあり、呼び出し先がWordPressサイトの内部にある場合

 リソースの呼び出し元がWordPressサイトのファイルにある場合には、呼び出し元となっているファイルを特定して、呼び出し先のURL文字列をエディタなどで「https://」に修正します。

cd /home/kusanagi/example.com/DocumentRoot
find ./ -type f | egrep '(css|js|php)$' | xargs grep 'http://example.com'
該当するファイルを特定する

対処方法3:混在コンテンツとなっている呼び出し先のリソースが外部(WordPressサイトの外)にある場合

 呼び出し先のリソースが外部にある場合も、呼び出し元がWordPressサイトのデータベースにある場合は「対処方法1」と同様の処理を、呼び出し元がテーマやプラグインなどのWordPressサイトのファイルにある場合は「対処方法2」と同様の処理を行います。

 しかし、「対処方法1」や「対処方法2」のケースでは、呼び出し先も呼び出し元もWordPressサイトの管理者(自分自身)がコントロール可能であるのに対して、呼び出し先が外部にある場合は、WordPressサイトの管理者(自分自身)ではコントロールできない場合があります。

 例えば、外部リソースがそもそもHTTPSで呼び出せない場合や、HTTPSで呼び出した外部リソースから、さらにHTTPでの呼び出しがある場合も考えられます。この場合は、当該リソースの管理者に対応を依頼をするか、代替の処理を検討することになります。古いサービスのためにアップデートが期待できず、代替処理のコストが高くなるならば、機能ごと割愛してしまう方がよい場合もあるでしょう。外部リソースが問題となるケースは、状況に応じた処理を検討してください。



 以上、混在コンテンツの洗い出しと修正を済ませたら、再度Goocle Chromeのアドレスバーを確かめてみましょう。「鍵マーク」と「保護された通信」とあり、デベロッパーツールでの「mixed-content:all」フィルターで混在コンテンツがリストアップされないようになれば、対処は完了です(図4)。

photo 図4 対処により、混在コンテンツがなくなった

 次回は、KUSANAGI運用編として、ログの活用方法、監視ツールの使い方、KUSANAGIのクラスタ構成、WordPressのアプリケーションレベルでのさらなる高速化チューニングなどのテクニックを解説する予定です。お楽しみに。

筆者紹介

中村けん牛

1971年栃木県生まれ。中学1年生で電波新聞社の『マイコンBASICマガジン』にプログラムを寄稿して以来、プログラミング歴30年。早稲田大学法学部を卒業後、野村證券に入社。公認会計士第二次試験合格。2002年にプライム・ストラテジー株式会社を設立、代表取締役に就任する。2005年にPT. Prime Strategy Indonesiaを設立して以来、アジアでのITビジネスに携わる。執筆監訳書籍に『WordPressの教科書』シリーズ(SBクリエイティブ)、『詳解 WordPress』『WordPressによるWebアプリケーション開発』(ともにオライリー・ジャパン)などがある。


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