富士通と米ヴイエムウェアが、自動車業界向けIoTソリューションの展開で協業を拡大すると発表。自動車メーカーやそのパートナー企業に対し、今後のコネクテッドカーや自動運転に向けた堅牢なソリューションを共同で提供する。
富士通と米ヴイエムウェアは2017年3月30日、自動車業界向けIoT(Internet of Things)ソリューションの提供に向けて協業を拡大すると発表した。コネクテッドカーや自動運転の実現を見据え、無線通信によってソフトウェアのダウンロードや更新を行う富士通のOTA(Over The Air)リプログラミングソリューションと、ヴイエムウェアのIoTソリューションを組み合わせたクラウド型ソリューションを提供する。
自動車業界では、車両内センサーからの情報だけでなく、インターネットにつながり、周囲の道路状況などを取得しながら交通システム全体の利便性や安全性を高めようとする「コネクテッドカー」の開発が進んでいる。より先進的な技術を取り入れるために、コネクテッドカー向けの新しいクラウドサービスに投資を始めている自動車メーカーもある。
このようなコネクテッドカーには、多くのECU(Electronic Control Unit)が必要になる。すでに、自動車の上級モデルは100個以上のECUが使われているとされ、今後ますます増加傾向にある。
そうした中、課題として挙がっているのがECUのソフトウェア管理である。ECUのソフトウェアは数、機能ともに高度化し、管理が難しくなってきている。今後さらに多くの技術が自動車に適用されていくのは必然だが、自動車メーカーはこのECUのソフトウェアを必要に応じて迅速に更新することが求められ、ソフトウェアのバージョンを自動車ごとに個別に管理することが必要となってくる。
富士通とヴイエムウェアの新たなクラウドソリューションは、この自動車業界の課題解決を目的に、コネクテッドカー向けのワンストップサービスとして展開するものとしている。
富士通は主に、ソフトウェアの差分更新技術を提供。ECUソフトウェアを効率的に管理し、更新するための、クラウドと連携したOTAリプログラミングソリューションを開発する。併せて、同社が携帯電話の開発を通じて培ったセキュリティ技術も、自動車の設計開発や組み立て、ユーザーガレージといった、自動車のライフサイクル全般に適用していくという。
一方のヴイエムウェアは、車両に実装される全デバイスのソフトウェアに対して、自動車メーカーが必要なときに無線通信によるアップデートを可能とするIoTソリューションを開発。富士通のOTAリプログラミングソリューションと組み合わせて提供する。
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