IBMがオープンデータサイエンスプラットフォーム「Anaconda」をHPCプラットフォーム「IBM Cognitive Systems」で提供していく。
米IBMは2017年4月17日(米国時間)、米Continuum Analyticsとの提携により、同社が手掛けるオープンデータサイエンスプラットフォーム「Anaconda」をHPC(High Performance Computing)プラットフォーム「IBM Cognitive Systems」で提供していくと発表した。
Anacondaは、大規模データ処理、予測型分析、科学技術計算のための強力な機能を提供するプラットフォーム。このAnacondaを、IBM Cognitive Systems上でサポートされる機械学習/ディープラーニング向けのIBMのソフトウェアディストリビューション「IBM PowerAI」に統合して提供する。これにより、開発者やデータサイエンティストが、データ集約型のコグニティブワークロードのために、IBM Cognitive SystemsのPOWERアーキテクチャによるパフォーマンスとGPU最適化機能を容易に利用できるようになるとしている。
IBMのCognitive Systems担当シニアバイスプレジデント、ボブ・ピチアーノ氏は、次のように述べている。「Anacondaは、コグニティブソリューションを構築する開発者にとって重要な機能を提供する。それが新たにIBMのハイパフォーマンスディープラーニングプラットフォームで利用できるようになった。IBM Cognitive Systems上でAnacondaを提供することにより、開発者やデータサイエンティストは、スケーラビリティの高いディープラーニングアプリケーションを開発、デプロイできるようになる」
Continuum Analyticsの共同創業者でチーフデータサイエンティストを務めるトラビス・オリファント氏は、IBM Cognitive SystemsでAnacondaを利用するメリットを次のように説明している。「Anacondaはこれまでに1600万回以上ダウンロードされており、世界のさまざまな業種の主要企業に、データパターンを特定し、重要な洞察を引き出し、基本的なデータをインテリジェンスに富んだ宝の山に変え、世界の最も困難な問題を解決するためのツールを提供している。AnacondaのPOWERアーキテクチャへの最適化により、開発者はPowerAI Platformのライブラリにアクセスし、Anaconda Enterpriseでの探索とデプロイに活用できるようになる」
IBM Cognitive Systemsは、「IBM POWER8」プロセッサを実装しており、POWER8はNVIDIAの高速NVLinkインタフェースを通じて「NVIDIA Tesla Pascal P100」GPUアクセラレータに接続されている。CPUとGPU間およびGPU同士におけるNVLinkの広帯域接続により、ディープラーニングやアナリティクスのアプリケーションにおけるシステムパフォーマンスを向上させる。
IBMの開発したPowerAIは、コグニティブアプリケーションの開発に使われるオープンソースの機械学習とディープラーニングフレームワークで構成されており、IBM POWERアーキテクチャ上にこうしたオープンソースフレームワークをデプロイする際の複雑さやリスクの軽減を支援できるという。
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