では、もっと特殊で専門的な知識を要するシステムの場合はどうだろうか。
例えばIPS細胞のような最先端医療を支えるシステムを開発する場合、ベンダーのエンジニアは要件定義を行うのに十分な医療知識など持っていない。そうした場合でも、ベンダーは医療の業務知識をしっかり学んでおく必要があるのだろうか。
そこまで極端ではなくても、「Uber」のような世界に例がないシステムを初めて開発する際、ベンダーは何を学んでおくべきなのだろうか。
今回は、ベンダーの専門外のシステムを作るときの「責任」が争点となった裁判例を紹介する。
ベンダーを訴えたのは、弁護士である。「集団訴訟」という、あまり頻繁には発生せず、取り扱いに十分な業務知識を必要とする「訴訟管理システム」についての裁判だ。
判決文から見てみよう。
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