デルが中堅企業などの「1人情シス」を支える統合クラウドサービスの提供を始める。ラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの3社と協業し、各社が提供しているクラウドサービスをワンストップで提供できるソリューションを用意する。
デルは2017年6月30日、中堅企業の情報システム部門向けにワンストップ型クラウドサービスの提供を始めると発表した。「1人情シス」など、1人または少人数で担当する中堅規模以下の企業の情報システム部門に対し、複数社が展開するクラウド型のITサービスを体系化し、ワンストップで提供していく。
具体的には、ラクス、カゴヤ・ジャパン、エックスサーバーの3社と協業し、各社がそれぞれクラウドサービスとして展開する、電子メールやグループウェア、情報・データ共有、Webサイトの構築や管理、ファイル管理、バックアップといった情報系業務から、経費精算、交通費計算、帳票発行、給与明細、ワークフローといった業務系業務までの機能を体系化し、まとめて利用できるようにするクラウドサービスに仕立てる。
総務省の統計資料「平成28年版 情報通信白書」によると、従業員数が1000人に満たない中堅、中小企業におけるクラウド導入状況は、ファイル保存やデータ共有、電子メール、スケジュール共有、社内情報の共有、データバックアップといったSaaS(Software as a Service)のニーズで約7割を占めたのに対し、IaaS(Inrastructure as a Service)の導入意向は、デルが2017年2月に調査した「IT投資動向調査」によると約18%と限定的な利用にとどまっている結果が得られた。クラウド導入においては、クラウド利用の要件定義、ベンダー評価などの選定準備、社内システムとの連携やセキュリティ要件などの運用準備に工数が発生することから、「決してクラウド化を敬遠しているのではなく、マンパワーが足りず、検討している時間がない」ことが背景に挙げられることが分かったという。
今回のワンストップ型クラウドサービスは、中堅企業のクラウドコンシェルジュ的役割として活動するデルのインサイドセールス部隊が選定したサービスがあらかじめ用意されることで、それらの企業の「初期のクラウド化」の迅速な実現を支援できるとしている。
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