シュミット氏のチームの取り組みは有望であり、FPGAの普及促進に向けて、その利用基盤としてPYNQボードをリリースしたXilinxが抱くこのボードへの期待にも沿っている。
だが、道のりはまだ遠い。この取り組みでのPYNQボードを使った開発では、従来の手法によるFPGA開発フローコンポーネントがまだ幅を利かせている。便利なライブラリセットが充実し、ダウンロードして設計に使えるようになるまでは、ユーザーはライブラリを選択し、呼び出して関数を使ったりするのではなく、ビットストリームを作成するフローの恩恵を受けることになる。
ビットストリームはデバイスやロケーションごとに固有であり、そのために一定の制約がつきまとう。だが、少なくとも、PYNQを使ったビットストリームを作成し始めることは、FPGA開発の第1歩を踏み出すことだ。PYNQボードが多くの開発者の手に渡れば、こうした開発者はそれを中心としたエコシステムの構築を開始できる。例えば、人気の「Raspberry Pi」のように、PYNQボードはFPGAの普及の火付け役になる可能性がある。
ただし、FPGAはパフォーマンスに優れている一方、依然として使いやすさに欠けている。シュミット氏とそのチームは、引き続きその向上に取り組んでいく。
出典:Python Coils Around FPGAs for Broader Accelerator Reach(The Next Platform)
former Editor in Chief of HPCwire
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