【トレースフラグ 3605】──DBCCコマンドの結果やトレースフラグの追加情報をエラーログに出力するSQL Serverトレースフラグレファレンス(4)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「トレースフラグ」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は「トレースフラグ3605の詳細と使い方」を解説します。

» 2017年10月16日 05時00分 公開
[内ヶ島暢之ユニアデックス株式会社]

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 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で発生するトラブル対策を踏まえた「SQL Serverのトレースフラグ」の使いこなしTipsを紹介していきます。

 今回は「トレースフラグ3605」の詳細と使い方を解説します。

 トレースフラグ3605は、実行された一部のDBCCコマンドの結果やトレースフラグによるログ追加出力をエラーログに出力する設定です。以前紹介した「トレースフラグ3604」とセットで覚えておくと良いでしょう。

設定可能なスコープ

トレースフラグ3605
設定方法 可/不可 要/不要
スタートアップ
グローバルスコープ
セッションスコープ
クエリスコープ

動作例

 「SQL Server Management Studio」でトレースフラグ3605を有効にすると、以下の情報が出力されるようになります(図1)。

photo 図1 トレースフラグ3605を有効にしたときのエラーログ出力例

 図1では「SQL Server Management Studio」からデータベースページ内の情報を得るコマンドである「DBCC PAGE」を2回実行しています。1回目はトレースフラグ3605無効(標準設定)時、2回目はトレースフラグ3605有効時です。トレースフラグ3605を有効にした後者のみ、詳細のエラーログが出力されるようになったことが分かるでしょうか。

 このように、トレースフラグ3605を有効にするとDBCC PAGEコマンドの出力をエラーログで確認できるようになります。トレースフラグ3605およびDBCC PAGEコマンドはMicrosoftの公式ドキュメントに記載がないものなので利用には留意する必要はありますが、前回紹介したトレースフラグ3604と併せてDBCCコマンドの出力制御に役立ちます。

 ※本Tipsは、Windows Server 2012 R2上に「SQL Server 2016 RTM」をインストールした環境で解説しています

筆者紹介

内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)

ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。

椎名 武史(しいな たけし)

ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。


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