HPEは、企業がディープラーニングなどAIを容易に導入できるよう支援する新しいプラットフォームやサービスを発表した。
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2017年10月25日(米国時間)、企業がAI(人工知能)を容易に導入できるよう支援する新しいプラットフォームやサービスを発表した。当初はAIの中でも、顔認識や画像分類、音声認識などへの利用が進んでいるディープラーニングの導入支援に重点を置くとしている。
発表内容の概要は以下の通り。
ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)やディープラーニングアプリケーション専用に統合されたハードウェアおよびソフトウェアソリューション。「HPE Apollo 6500」をベースに、Bright Computingとの協業によって構築されており、ディープラーニングアプリケーションの迅速な開発を可能にする。構成済みのディープラーニングソフトウェアフレームワーク、ライブラリ、自動ソフトウェア更新機能、ディープラーニングに最適化されたクラスタ管理機能を含み、NVIDIA製GPU「Tesla V100」をサポートする。
Hewlett Packard LabsのAI研究チームが作成した、各種のディープラーニングタスクに最適なハードウェアおよびソフトウェア環境の選択を支援するツールセット。さまざまなハードウェアプラットフォームのパフォーマンス評価、人気のディープラーニングフレームワークの特徴把握、個別ニーズに最適なハードウェアおよびソフトウェアスタックの選択に役立つ。購入済みのハードウェアおよびソフトウェアスタックのパフォーマンス検証や構成管理にも利用できる。
大学、企業、HPEの研究者による長期的なAI研究協力のプラットフォームとして設計されている。米国のヒューストン、パロアルト、フランスのグルノーブルに設置され、研究用のインフラやツールへのアクセスを提供する。
IT部門やデータサイエンティストが、ディープラーニングアプリケーションの高速化や、ディープラーニングプロジェクトの短期的なROI(投資対効果)向上を実現できるように支援する。またHPEシステム上で、NVIDIA GPUをはじめとした最新の技術やノウハウを一部の顧客に提供する。Enhanced HPE CoEは現在、ヒューストン、パロアルト、日本の東京、インドのバンガロール、グルノーブルの5カ所に設置されている。
HPEのAI事業担当バイスプレジデントを務めるパンカジ・ゴヤル氏は、同社のAIへの取り組み姿勢を次のように説明している。
「今日の世界では膨大な量のデータが日々生成されており、ディープラーニングは、こうしたデータからインテリジェンスを引き出すのに役立つ。だが、あらゆるニーズに対応できる単一のソリューションはない。各企業は固有のニーズを持っており、ディープラーニングインフラの導入、スケーリング、最適化に向けた個別のアプローチを必要としている。われわれHPEは、業界をリードするインフラポートフォリオ、AIノウハウ、ワールドクラスの研究、パートナーエコシステムを通じて、顧客のAI活用を支援していく」
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