こうしてOracle Database Cloud Serviceによる開発環境を利用したプロジェクトが進む中で、やがて現場から「本番環境と同じOracle Exadataをテスト環境でも使えないか」という声が寄せられるようになった。そこで佐藤氏らは、Oracle Exadataをクラウドサービスとして提供するOracle Database Exadata Cloud Serviceの活用を検討し、実際にプロジェクトで利用している。
佐藤氏らが使用した当時、Oracle Database Exadata Cloud Serviceは利用を申し込んでから実際に使えるようになるまでに1週間程度かかり(現在は1日〜数日)、「スピーディーな開発環境の提供」の面ではやや難を感じたという。「拡張性」については、契約プランによっては「Half Rack」「Full Rack」にまで拡張することが可能であることから問題なしと判断した。ただ、Oracle Database Exadata Cloud Serviceは1カ月単位の契約となり、夜間などの使用しない時間帯にオフにしてコストを削減することはできないため、Oracle Database Cloud Serviceをメインに利用したと佐藤氏は明かす。
なお、当初はWindows Serverを使う都合上、他社のクラウドサービスとOracle Database Cloud Serviceを組み合わせてテスト環境を構築していた。だが、現在ではOracle Cloud Platform上でもWindows Serverを使えるため、パーソルホールディングスではテスト環境で使うサーバを全てOracle Cloud Platform上に集約している。
以上のようにOracle Cloud Platformの活用状況を紹介すると、佐藤氏は最後に今後の活用方針についても言及した。
「今後は、オンプレミスのVMware環境をパブリッククラウド上に展開できるOracle Ravello Cloud Serviceを利用し、本番環境をコピーするかたちで簡単にテスト環境を作ってみたいと考えています。データベースに関して挑戦してみたいのは、Oracle Database 12cのマルチテナント機能を利用したデータベースのクローニングです。Oracle Database 12c R2ではホットクローンが可能になったので、この機能を活用してテスト環境を簡単に作れるようにしたいですね。また、Oracle Database Cloud ServiceではOracle Databaseのオプションも使えるので、Oracle Real Application Testingを利用したテスト効率化の他、Oracle Data Guardなどの導入も視野に入れています」
開発/テスト環境などとして本番環境と同じ環境を手軽に作れる点は、オンプレミスとクラウドが同じ技術で作られているOracle Cloud Platformならではのメリットである。Oracle Databaseのみならず、Oracle Real Application Testingなどの各種オプション、さらにはOracle Exadataも必要な期間だけ使うことができる。読者もぜひ、新規システム構築やデータベースアップグレード時の開発/テスト環境などとして、コスト負担を抑えながらスピーディーに利用できるOracle Cloud Platformをご活用いただきたい。
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