パーソルキャリア、テックビューロ、日本情報通信が、ブロックチェーンを活用して勤怠データを管理し、副業を支援するアプリケーションを開発。企業が副業を制度化する上で問題となる社員の労務管理や、副業を行う個人に負担となる勤務時間の自己管理などの課題解決に向けた実証実験を行った。
パーソルキャリア、テックビューロ、日本情報通信(NI+C)は2018年4月25日、ブロックチェーン技術を利用した副業支援アプリケーションの実証実験を、2018年3月〜4月に実施したと発表した。
今回、3社は、労働力人口減少やイノベーション不足といった社会課題の解決策として期待される「副業」を支援するためのアプリケーションとして、テックビューロが開発した汎用型プライベートブロックチェーン製品「mijin」を活用し、副業に関する勤怠データを管理するアプリケーションを開発。
同アプリケーションについて、企業が副業を制度化する上で大きな問題となる社員の労務管理や、副業を行う個人にとって負担となる勤務時間の自己管理といった、企業と個人のにとっての課題を解決する可能性を検証した。
企業の課題として検証したのは、「雇用元は副業先企業での就業状況が把握できず、労働時間の管理が困難」という点。これについては、自社と副業先の労働時間実績データを単一のブロックチェーン上で管理することで、企業をまたがった実績の管理が可能であることを確認。
また、「労務時間の報告ミスや虚偽の勤務報告により、2重勤務を行う可能性のリスク」については、トークンを用いた排他制御により、同時に複数企業の出勤登録が不可能で、2重勤務の防止につながることを確認した。
個人の課題については、「勤務実績の自己管理、自己申告を行わなければならない負荷」について検証した結果、同一のツールにより、企業間で相互に勤怠管理が可能なことを確認。
さらに、「雇用元による勤務実績の計算ミスや改ざんのリスク」については、マルチシグネチャにより、労使双方でデータを保護し、不正を排除できることを確認した。マルチシグネチャとは、1つのトランザクション(取引処理)を成立させるために、複数の承認(電子署名)を必要とする仕組みで、mijinの基本機能として組み込まれており、複雑なワークフローや権限管理にも対応可能だという。
3社は今後、今回の実験結果を踏まえた技術検証を継続し、ブロックチェーン技術を用いた新サービスの実現を目指すとしている。
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