Dell TechnologiesとNTTグループ、実証実験のための実証実験でないと説明ラスベガスでスマートシティーへの取り組み

Dell TechnologiesとNTTグループは2018年5月初め、米ネバダ州ラスベガス市でスマートシティーに関する共同実証実験を開始すると発表した。これについて2018年5月17日、NTT代表取締役副社長の澤田純氏と、Dell EMC サービスおよびデジタルIT担当プレジデントのハワード・エライアス氏が東京都内で説明した。

» 2018年05月21日 16時08分 公開
[三木泉@IT]

 Dell TechnologiesとNTTグループは2018年5月初め、米ネバダ州ラスベガス市でスマートシティーに関する共同実証実験を開始すると発表した。これについて2018年5月17日、NTT代表取締役副社長の澤田純氏と、Dell EMC サービスおよびデジタルIT担当プレジデントのハワード・エライアス氏が東京都内で説明した。

 両社とも、今回の件を「実証実験のための実証実験」に終わらせるつもりはないようだ。Dell TechnologiesグループではIoTが将来、従来のITよりも大規模な市場になるとし、力を入れている。一方NTTグループも、「B to B to Everything」といった言葉を使い、あらゆる産業を対象に、「つなげる」ことを出発点としたビジネスを自らの事業の柱の1つとしようとしている。

NTT代表取締役副社長の澤田純氏(左)とDell EMC サービスおよびデジタルIT担当プレジデントのハワード・エライアス氏(右)

 2018年9〜11月に実施する実証実験のテーマは公共安全。両社は。実験を通じてソリューションをパッケージ化。米国および世界の他の地域での実証実験につなげていきたいという。ラスベガス市については、実証実験終了時に同市から本格導入へのゴーサインが出れば、導入作業に入る。他のテーマでの実証実験を同市で進めることも考えている。

 今回の実証実験では、ラスベガス市が既にダウンタウンの各所に設置している監視カメラをセンサーとして活用。ソーシャルネットワークなどの情報と組み合わせて機械学習を自動的に実施、警察、消防、救急隊員の派遣にかかわる情報を提供する。事件・事故の発生への迅速な対応に加え、「プロアクティブ」な(事前の)対応を可能にするという。

 Dell Technologiesグループは、センサー近くに分散設置する「マイクロデータセンター」(実体は持ち運びも可能なサイズのサーバ)、およびコアとなるデータセンターに設置するハイパーコンバージドインフラを提供する。

 一方NTT側は、基本的にはシステムインテグレーションを担当する。グループ各社が関わるといい、NTT Communicationsのデータセンター施設を使用し、NTT研究所の開発によるインフラオーケストレーション技術を活用する。また、NTTグループのAI技術である「corevo」を適用する。

 「センサー―マイクロデータセンター―コアデータセンター」の構成で、センサーからの情報については基本的にマイクロデータセンターで処理、メタデータのみをコアデータセンターに送る仕組みにより、迅速性と効率性を実現するという。

 なお、2社が選ばれた理由について澤田氏は、「他の企業の場合、得意・不得意がある。一方、2社では全てをカバーすることができる」と述べた。ラスベガス市は、NTTセキュリティの既存顧客でもあるという。

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