三井住友銀行、Azure上で動くAIチャットbotのライセンス提供を開始 JSOL、NECらがサービスを販売

三井住友銀行は、日本マイクロソフトと共同開発した対話型AI自動応答システム「SMBCチャットボット」のライセンス提供を開始した。業務効率化や生産性向上などのシステムソリューションを展開するITベンダー向けに提供し、サービス拡販を目指す。

» 2018年05月31日 14時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 三井住友銀行は2018年5月30日、日本マイクロソフトと共同開発した対話型AI自動応答システム「SMBCチャットボット」のライセンス(製品使用権など)を、ITベンダー向けに提供開始すると発表した。同日より、JSOL、NEC、NECソリューションイノベータが、ヘルプデスクなどの問い合わせ業務向けにサービス提供を開始した。

 SMBCチャットボットは、Microsoftのクラウド「Microsoft Azure」上で動作するチャットbotシステム。利用者からの照会に対し、AIがQ&Aデータから最適な回答案を抽出し、自然な対話形式で回答する。

 AI自身が学習データを生成し、自己学習するため、学習データの生成やAIの教育にかかる負荷を軽減しながら、回答精度の高いAIを構築することができる。また、AIが管理者に新たな知識の登録を示唆する機能も備えており、AIの継続的な学習を効率的に短時間で行えるという。

 三井住友銀行では、2017年8月から行内のシステム環境に関する行内照会窓口に導入。同年12月には、人事関連の規定や手続きの照会窓口にも導入し、照会応答業務の迅速化や効率化を図っている。

 さらに、SMBCグループ各社にも展開し、SMBCコンシューマーファイナンスでは2018年3月から顧客向け自動Q&Aチャットサービスの提供を開始した他、SMBC日興証券では社内システム関連の照会窓口として導入を予定。行内およびSMBCグループ内での導入で業務効率化、生産性向上、顧客利便性向上といった効果を確認しており、今後もSMBCグループでの展開を進める方針だ。

Photo 三井住友銀行と日本マイクロソフトと共同開発したチャットbotの画面イメージ

 今回、SMBCグループでの導入効果を確認したことから、SMBCチャットボットのライセンス展開を決定。業務効率化や生産性向上などのシステムソリューションを展開するITベンダー向けに提供を開始した。

 既に、JSOL、NEC、NECソリューションイノベータへのライセンス提供が決定しており、各社とも2018年5月30日から、SMBCチャットボットの導入サービスの提供を開始している。

 JSOLでは、SMBCチャットボットは、自然な対話形式による回答と高精度な回答、AIの教育にかかる学習負荷を軽減する仕組みといった特徴に加え、SMBCグループで蓄積されたノウハウを基に開発された機能が盛り込まれており、企業が対話型AI自動応答システムを導入・運用する際に、課題となり得ることを極力解決すると説明している。

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