Bloombergの報道によると、MicrosoftはGitHubを買収することで合意した。2018年6月4日(日本時間5日)にも買収合意が発表される可能性がある。その報道を受けて、GitLabが祝福の声明を送った。
Bloombergが2018年6月3日(米国時間、以下同じ)、事情筋の話として、MicrosoftがGitHub社を買収することで合意に達したと報じた。4日にも買収合意が発表される可能性があるとしている。
GitHub社は、ソースコードのバージョン管理システム「Git」のホスティングサービス「GitHub」を提供しており、同サービスは開発者の間で人気が高い。多くの大手企業もGitHubを利用して、自社の技術をオープンソースプロジェクトとして公開している。MicrosoftはGitHubの最大のコントリビューターの1社だ。
Bloombergによると、事情筋の1人は、「GitHub社は株式公開よりも会社の売却を望んだ。売却先としてMicrosoftを選んだ理由の1つは、ナデラ氏に感銘を受けたことだ」と述べているという。3日時点で買収条件は不明だ。GitHub社は、2015年に企業価値を20億ドルと評価されたことがある。
GitHub社と同業のGitLabは、Bloombergの報道を受けて2018年6月3日に公式ブログで声明を発表した。MicrosoftのGitHub社買収に祝福を送り、この買収は、「世界におけるソフトウェア開発者の影響の拡大と、モダンなDevOpsの重要性を証明するものだ」との見方を示している。
GitLabのシド・シジブランディジCEOは声明で次のように述べ、買収意図にも言及している。
「開発者がコードを作成、提供、メンテナンスする方法は、この10年で大きく変わった。われわれは、GitHubがこの進化の過程を通じて、独立した巨大な開発者コミュニティーを支え、後押ししてきたことに称賛を送りたい。この買収は、ソフトウェア開発者とその企業における影響力の世界的な重要性を裏書きしている。MicrosoftがGitHub社を買収するのは、GitHubと『Microsoft Visual Studio Team Services』(VSTS)を密接に統合し、最終的にMicrosoft Azureの利用拡大につなげる狙いからだろう」
GitLabは、同社の戦略がこうしたアプローチとは2つの点で異なることも強調している。
第1にGitLabは、複数ツールを統合するのではなく、DevOpsライフサイクル全体をサポートするように一から構築された単一のアプリケーションの方が、優れたエクスペリエンスを提供し、リリースサイクルのスピードアップにつながると考え、推進している点。第2にGitLabは、製品のコアを常にオープンソースとして維持することが、コラボレーションの観点から重要だと考えている点だ。
GitLabは、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールおよびコンテナレジストリを統合したコードリポジトリホスティングプラットフォームを、オンプレミスとクラウドサービスで提供している。
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