研究所の最先端技術をシリコンバレーのスタートアップと事業化――NEC、新会社「NEC X」を設立

NECが米シリコンバレーに子会社「NEC X」を設立。画像解析やAI分析といったNECの研究所が持つ技術を核に、シリコンバレーのスタートアップ企業やベンチャーキャピタルとの連携により、新事業開発を推進する。

» 2018年06月21日 10時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 NECは2018年6月20日、新会社「NEC X(エヌイーシー エックス)」を米国カリフォルニア州サンタクララに2018年7月に設立すると発表した。シリコンバレーのスタートアップ企業と連携し、エコシステムを活用した新事業開発を目指す。

Photo NEC XのCEOに就任するNECの藤川修執行役員(左)と、新規事業開発を率いるピージー・マドハヴァン氏(中央)、執行役員(中央研究所担当)の西原基夫執行役員(右)

 NEC Xでは、NECの研究所が持つAIなどの先端技術と人材を核に、エコシステムを活用したオープンイノベーションによる事業化を推進する。シリコンバレーの企業家精神を備えた人材や競争力を持つ技術を育成するとともに、新事業の共創につなげたい考えだ。

Photo NEC Xでの取り組みで活用するNECのコア技術とエコシステムの推進

 ベンチャーキャピタルやアクセラレーター(スタートアップの事業支援プログラムや支援企業・団体)による事業創出支援を受けながら、新事業開発のエコシステムを展開し、先端技術や新事業アイデアを積極的に提供することで、アウトバウンド型の事業を立ち上げていくという。

 まずは2018年7月から、シリコンバレーの研究開発企業Singularity Universityとともに、最短1年で新事業を立ち上げる「NEC アクセラレーター プログラム」を開始する。

Photo 「NEC アクセラレーター プログラム」の概要

 なお、NECは、2018年1月に発表した「2020中期経営計画」で、競争力のある技術の収益化を加速する取り組みとして、共創型ソリューション開発の推進などによる事業開発力の強化を掲げている。今回のNEC Xの設立は、これを具現化する取り組みだという。また、NEC Xに先行して、2018年4月には米国カリフォルニア州クパチーノに、AIデータ分析ソフトの開発会社「dotData」(ドットデータ)を設立している。

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