昭文社とアジアクエストは、スマートスピーカーを活用して、訪日外国人観光客に観光案内を提供する「AI観光コンシェルジュサービス」を開発。2018年11月から大分県別府市で実証実験を行う。
昭文社とアジアクエストは2018年7月25日、大分県別府市でスマートスピーカーを活用して多言語による観光案内を提供する「AI観光コンシェルジュサービス」の実証実験を行うと発表した。
実証実験では、AI観光コンシェルジュ(スマートスピーカー)を観光案内所や観光施設、温泉施設、宿泊施設などに配置。訪日外国人観光客へのスムーズな情報提供や観光支援を実現するとともに、受入側のインバウンド対応負荷の軽減を目指し、サービスの有効性を検証する。
同サービスで提供する観光情報は、昭文社が「MAPPLE」や訪日外国人観光客向け情報サービス「DiGJAPAN!」などで培った観光情報と、ゆこゆこホールディングスが提供する温泉に特化した情報など。また、AIを活用し、国籍や属性(性別、年齢層など)に合わせた最適な観光情報を提供する。
観光情報は、AIの学習機能によって精度を自動的に向上。利用者との対話の回数や内容によって観光案内の精度が定常的にブラッシュアップされる仕組みを構築し、利用者満足度の高い観光案内を提供できるようにする。
さらに、立命館アジア太平洋大学(APU)の協力を得て、学生からインバウンド対応ソリューションのアイデアを募り、実証実験からサービス展開へのブラッシュアップや他サービスへの応用を検討する。開発についても、さまざまな国・地域の学生にシステムを評価してもらい、AIの学習要素に加える予定だ。
2018年8〜10月にシステムを開発し、11〜12月に実証実験を実施する計画。実証実験を経て、事業化の検討を行い、事業化可能であれば、2019年3月以降に別府市と大分県内で展開し、「ラグビーワールドカップ2019」での実用化を目指すとしている。
なお、実証実験は、アジアクエスト、昭文社、ゆこゆこホールディングス、立命館アジア太平洋大学(APU)の連携に加え、別府市、一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINKの協力も得て実施され、産学官連携の取り組みとなる。また、この実証実験のプロジェクトは、多言語対応をはじめとした訪日外国人の受入環境の整備や、観光関連産業の人手不足対策として評価され、県のIT推進の取り組み「大分県IoT推進ラボ」のプロジェクトとして認定されたという。
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