“スマートシューズ”で歩行分析 糖尿病や認知症などの早期発見や予防に応用――沖電気らが共同開発

沖電気工業、ZEROBILLBANK JAPAN、no new folk studioは、モーションセンサーと無線通信機能を組み込んだ“スマートシューズ”を活用して歩行時の足の運び方を分析し、適正なフォームへの誘導や病気の早期発見、予防対策などにつなげる仕組みを開発した。

» 2018年07月30日 10時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 沖電気工業(OKI)、ZEROBILLBANK JAPAN、no new folk studioの3社は2018年7月26日、加速度センサーや角速度センサーなどのモーションセンサーと、無線通信機能を組み込んだ靴を活用して、歩行時の足の運び方を分析することで行動変容につなげる仕組みを共同開発したと発表した。

 歩行やスポーツ時のフォーム分析により、適正なフォームへの誘導や、歩行異常から糖尿病や認知症などの早期発見、予防対策への応用を目指すとしている。

Photo 歩行分析から行動変容までの概念図

 この仕組みは、no new folk studioが開発したスマートシューズプラットフォーム「ORPHE TRACK」と、ZEROBILLBANK JAPANのインセンティブポイントプログラム「Yume Coin」を組み合わせ、歩行異常を早期発見する仕組みと、それを改善する行動を推進する仕組みを開発した。

 ORPHE TRACKでは、センサーモジュールを内蔵して“スマートシューズ化”した靴を用いる。ORPHE TRACKの各種センサーによって、歩幅や歩行速度、移動距離だけでなく、通常の万歩計やスマートフォンアプリでは測定できないような、足の着地角度や持ち上げた足の運び方などを3次元的に分析する。

 分析結果によって推奨された運動などに「Yume Coin」のインセンティブポイントを設定。例えば、糖尿病や認知症で特徴的といわれている「小さい歩幅で足を持ち上げずに歩く」兆候が発見された人に対し、正しい歩行姿勢や中強度運動である早歩きなどを一定時間行った際には“ご褒美”としてインセンティブポイントを付与するといったことができる。

 効果検証のため、2018年8月から一般の人の協力を得て実証実験を進める。実証実験を通じて、認知症などの発症前の各ステージにおける歩行の特徴の詳細を分析し、予防や未病に役立てる仕組みを検討するとしている。

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