NTTドコモは、日本テレビと共同でIoTプラットフォーム「Linking」を活用して会議室の利用状況を可視化する実証実験を開始。予約情報と利用状況を分析することで、会議室の「空予約」の実態把握や、予約時間に対する利用率を算出し、会議室の効率的な利用につなげる。
NTTドコモは、日本テレビ放送網(日本テレビ)の協力の下、さまざまなセンサーデバイスを連携させるプラットフォーム「Linking」とデータ分析手法を用いて、会議室の利用実態を把握する実証実験を、日本テレビ内会議室で2018年9月3日から開始する。
Linkingは、NTTドコモが開発した、IoTデバイスとスマートフォンアプリを連携させたIoTサービス開発を簡易化するプラットフォーム。
実証実験では、会議室内にLinking対応の人感センサー、照度センサー、開閉センサーを設置。取得したセンサー情報を基に、会議室の利用状況をリアルタイムに可視化する。
センサーデータはゲートウェイ端末を中継してサーバに集約され、センサーの種類に応じて、ドアの開閉状態や電気の点灯状態、人の有無を判別。これらの情報を会議室の利用情報に置換し、専用Webサイトに利用状況を表示して、PCや専用アプリで確認できるようにする。
さらに、会議室の予約情報と利用状況のデータを照合し、差分を分析することで、予約されていても実際には使用されていない会議室の「空予約」や、長時間予約された会議室の未消化実態を明らかにする。
実証実験は、2018年9月3日から10月31日を予定。同システムで得たデータを基に、利用者に会議室利用の是正を促すことで、会議室の使用方法の是正や予約の適正化、会議室の効率的な利用につなげることを目指す。また、NTTドコモでは、実験結果を踏まえて、2018年度中に同システムの商用化を目指す方針。
なお、今回の実証実験に先立ち、2018年5月から1カ月間、Linkingを用いてNTTドコモ社内の会議室の利用状況を分析したところ、会議室が空予約されている時間が全体の約15%あることが判明。また、長時間の会議室予約に比例して、時間消化率が低くなっていくことが分かったという。この状況を受け、会議室運用改善に向けて、同システムで得たデータを活用して会議室運用ルールの見直しを行っているという。
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