日立の発表した、「VMwareを高信頼にする」プラットフォームソリューションとは日立はvSphereのソースコードを参照可能に

日立製作所は2018年9月4日、金融機関の勘定系システムや社会インフラへの適用に向け、VMware vSphere環境の信頼性を高めたプラットフォームソリューションの販売開始を発表した。

» 2018年09月06日 15時31分 公開
[三木泉@IT]

 日立製作所は2018年9月4日、金融機関の勘定系システムや社会インフラへの適用に向け、VMware vSphere環境の信頼性を高めたプラットフォームソリューションの販売開始を発表した。

 例えば勘定系システムについては、メインフレームや物理サーバからの移行の受け皿としてvSphereを利用しやすくなり、既に多くの企業ではvSphere上で稼働している情報系システムとの統合運用ができるようになるという。

 新ソリューションにおけるvSphere環境の信頼性向上は、複数のレベルで提供される。

 第1に、物理I/Oアダプタを特定仮想マシンが専有するvSphereのDirectPath I/O機能の認定を受け、冗長化したファイバチャネルアダプタを各仮想マシンに割り当てる。これにより、各仮想マシンのストレージとのI/Oは、エミュレーションの負荷なしに直接実行できる。また、ストレージアクセスにおける他の仮想マシンとの競合を避けられる。そしてファイバチャネルアダプタ1枚に障害が発生した場合、そのアダプタを自動的に切り離す。

 今回のソリューションで採用するサーバ「RV3000」のファームウェアおよびvSphereとの連携により、占有I/Oを切り離しても物理サーバや仮想マシンはダウンしないという。

 第2に、CPUコアの障害予兆を検知すると、このコアを使っている仮想マシンを、自動的に別のコアへ切り替える。

 第3に、日立が物理サーバで提供してきたHA機能をvSphere環境に適用。物理サーバ、あるいは仮想マシンがダウンした場合、別の物理サーバ上に自動フェイルオーバーする。この際に、仮想マシンの占有しているファイバチャネルアダプタは、フェイルオーバー先の物理マシンが備えるアダプタへ、自動的に切り替えられる。

 VMware HAとの比較では、フェイルオーバーにかかる時間が短い他、「物理サーバは生きているが仮想マシンが死んでいる」といったケースにも対応できる。

 日立はこれに、長期サポートを組み合わせている。vSphereの標準サポート期間である5年を超え、重要な不具合についてはVMwareとの連携によって対策版を提供するとしている。日立はvSphereとの提携で、vSphereのソースコードを参照できる。また、VMware本社に技術者を常駐させているという。

 新ソリューションでサポートするOSはRed Hat Enterprise Linux。これに「日立Linux環境強化サポートオプション」を組み合わせている。

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