コマンドプロンプト上で実行した過去のコマンドを引用したり、バッチファイルなどに組み込みたかったりする場合は、コマンド履歴の一覧を表示させてコピーすればよい。その方法を紹介する。
対象OS:Windows 7/Windows 8.1/Windows 10/Windows Server 2008 R2/Windows Server 2012/Windows Server 2012 R2/Windows Server 2016
コマンドプロンプトで実行したコマンドを後で再実行したい場合、[↑][↓]などの矢印キーを使えば過去のコマンド実行履歴(コマンドヒストリ)を順番に表示させることができる。目的のコマンドが見つかれば、そのまま[Enter]キーを押せば再実行できるし、[←]や[→]キーでカーソルを移動して、再編集してから実行することもできる。
では過去のコマンドヒストリを引用したり、それをベースにして、新しいバッチファイルなどを作ったりしたい場合はどうすればよいだろうか?
そんな場合は、コマンドの履歴一覧を表示させ、それをコピー&ペーストすればよい。上のTIPSでは、[F7]キーを押して、コマンドの履歴ウィンドウを表示させる方法を紹介しているが、これだとテキストデータとして引用することは難しい。
UNIXやLinuxのシェルだと、h(history)というコマンドがあり、これを実行すると過去のコマンドの一覧がテキストとして表示されるので、ファイルに保存すれば簡単に再利用できる。
Windows OSのコマンドプロンプトの場合、historyコマンドはないが、類似のコマンドとして、「doskey /h」(もしくは「doskey /history」)というコマンドがある。これを実行すると過去のコマンド履歴の一覧が表示されるので、コピーしてエディタに貼り付けたり、リダイレクトしてファイルに保存したりして再利用すればよい。
なお履歴からコマンドを選んで再実行するには、[F7]キーを押してカーソルを使って選ぶか、[F9]を押してコマンド番号を入力して実行するしかない(コマンド番号は[F7]キーを押した場合にしか表示されず、「doskey /h」では表示されない)。UNIXや後述のPowerShellのように、コマンド番号を指定して素早く再実行することはできない。
またコマンド履歴を保存しておいて、次回コマンドプロンプトを起動したときに、それを引き継ぐ方法はないし、複数のコマンドプロンプトのウィンドウ間で履歴を共有する機能もない。履歴はウィンドウごとに独立して扱われ、終了すると、その履歴は全て破棄されて、もう一度呼び出すことはできない。
Windows OSのコマンドプロンプトの場合、履歴の最大数は、デフォルトでは50個までとなっている。これよりも多くのコマンドを実行すると、古い履歴から順に消えていってしまう。
この最大数は、コマンドプロンプトのプロパティ画面で確認したり、変更したりできる。プロパティ画面の[オプション]タブを開くと、[コマンドの履歴]というグループの中に[バッファー サイズ]という項目があるので、この値を大きくすればよい。最大で「999」まで設定できる。
上の画面にある[重複する古い履歴を破棄]とは、同じコマンドを繰り返して実行した場合に、履歴上はそれらを1つだけ保存するようにする機能である。例えば何度もdirコマンドを実行しても、連続して実行していれば、1つだけ履歴として保存される(全く同じコマンドライン文字列でない場合は、それらは全て記録される)。これにより、履歴数を抑えることができる。
PowerShellにもコマンド履歴の管理機能があるが、その機能はUNIXやLinuxのhistory機能に近くなっている。
コマンド履歴の一覧は「Get-History(エイリアスはh)」コマンドレットで表示できる。再実行するには、「Revoke-History(エイリアスはr)」コマンドレットに番号を指定すればよい。
保存できるヒストリの最大数は、デフォルトでは4096となっているが、これをさらに増やすには、「MaximumHistoryCount」という変数に値をセットすればよい。最大で3万2767まで設定できる。
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