矢野経済研究所の調査によると、AIを既に導入している企業の割合は2.9%だった。業種別で最も導入率が高かったのは、金融業で12.5%。最も低かったのは流通業で0.8%。
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矢野経済研究所は2018年12月13日、機械学習やディープラーニング、自然言語処理、画像認識、機械翻訳、ロボット、チャットbotなど、AI(人工知能)の導入状況に関する国内民間企業515社へのアンケート調査結果を発表した。RPA(Robotic Process Automation)など、一般にはAIに含まれない技術も一部含む。
それによると、「関心はあるがまだ特に予定はない」と回答した企業が過半数(52.5%)を占めた。「今後取り組む予定はない」と回答した割合は15.0%。導入済み企業の割合は2.9%と低かった。
業種別に見ると、AIを既に導入している企業の割合が最も高かったのは金融業で、12.5%の企業が導入済みだった。金融業は、実証実験を進めている段階の企業も12.5%で最も多く、「今後取り組む予定はない」と回答した割合は6.3%で最少だった。
これに対して流通業(0.8%)やサービス業(2.1%)ではAIの導入割合が少ない。これらの業種では実証実験を行っている企業の割合も少なく、流通業が5.8%、サービス業が7.8%だった。
矢野経済研究所では、流通業はITの活用に慎重な企業が多くIT人材も少ないとしており、今回の調査の結果、流通業でAI導入率が最も低かった背景には、こうした実態があると分析している。
ただし最近は、少子高齢化による労働力不足が深刻化しており、店舗スタッフの雇用難の他、ベテランスタッフの高齢化や退職増などへの対策が喫緊の課題となっているなど、流通業を取り巻く環境が大きく変化している。こうした流通業の課題解決に向けて、決済や販売、需要予測などを支援するAIを搭載したソリューションが提供されており、矢野経済研究所では省力化や業務自動化の効果は大きいとしている。
調査期間は2018年7〜10月。調査方法は郵送によるアンケート。調査対象は国内の民間企業515社で内訳はプロセス製造業129社、加工組み立て製造業108社、サービス行141社、流通業121社、金融業16社。
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