リコーがシスコを採用し、複合機を起点としたネットワークとセキュリティのサービスを展開へ

リコーとシスコシステムズは2019年2月26日、両社の協業を通じ、リコーがシスコのネットワークおよびセキュリティ関連の製品を採用し、リコー製品ユーザーに向けて月額料金制のサービスを提供すると発表した。

» 2019年02月27日 17時00分 公開
[三木泉@IT]

 リコーとシスコシステムズは2019年2月26日、両社の協業を通じ、リコーがシスコのネットワークおよびセキュリティ関連の製品を採用し、リコー製品ユーザーに向けて月額料金制のサービスを提供すると発表した。ゆくゆくは日本国内に留まらず、世界各国で展開したいとしている。

 リコーの複合機(MFP)ユーザーの中には、クラウドアクセス環境やセキュリティ対策が十分でない中小の企業・組織が多数存在するという。リコーはこうした組織に向け、新サービスを推進する。

 リコーはMFPのクラウド対応を進めている。2019年1月に発表した「RICOH IM Cシリーズ」では、ファックスやスキャン済みの電子文書をクラウドに保管する、帳票OCRをクラウドサービスとして提供する、などの機能を実現している。機器は売り切り(リース)だが、上記のような付加価値サービスはサブスクリプション方式(月額課金)で提供していく。

 リコーはこの延長線上で、Box、Dropbox、グーグル、マイクロソフト、サイボウズ、PhoneAppliなどと連携する「RICOH Smart Integrationパートナープログラム」の立ち上げを、2019年春に予定している。その先駆けとして、今回のシスコとの提携を発表したという。

 だからといって、複合機だけのためのネットワーク/セキュリティサービスに留まるわけではない。実質的には、対象拠点で働く人たちのクラウド/インターネットアクセスセキュリティサービスにつながる。

 リコーは今回、「複合機のためのサービス」を強調しているが、理由は複合機のクラウド連携によって初めてクラウドの利用を考えるようなユーザー組織を新サービスの顧客として想定しているからだという。こうした組織は、現状ではクラウド利用を考えていないため、「ネットワークセキュリティサービス」といっても採用したいという気にならない。複合機のクラウド連携による利便性を安全に享受するために必要な対策として、今回のサービスを売り込む。

 リコーは、次の3つのサービスを、2019年4月から試験導入し、2019年9月には本格販売を開始したいとしている。ニーズに応じて他のソリューションも投入するという。

安心クラウド保管ソリューション

複合機でスキャンした文書を自動的にクラウドへ保管、きめ細かなアクセス制御を実現する。アクセス権設定が変更されたなどの場合には、自動的に電子メールによる警告を管理者に送信する。このソリューションには「Cisco Cloudlock」が使われる。

簡単ネットワーク設定ソリューション

SD-WAN製品を用い、セキュリティ設定を含む拠点のルータ設定をクラウドで一括管理し、ネットワーク構築やセキュリティ管理負荷を軽減するという。これには「Cisco Meraki」が使われる。ネットワークと複合機の共通ダッシュボードを提供するという。

安全デバイス接続ソリューション

建設現場などで、不正に私物の端末が接続されることを防ぐソリューション。リコーのデバイス管理システムと、シスコの「Cisco Identity Services Engine(ISE)」を連携させる。

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