セルフサービスデータ分析のAlteryxが日本法人設立、それってどんなツール?ノンプログラミングで前処理から予測分析まで

データ分析製品のAlteryxは2019年4月15日、日本法人アルテリックス・ジャパンの開設を発表した。同社の製品は、包括的なセルフサービスデータ分析プラットフォームを指向している。

» 2019年04月16日 08時35分 公開
[三木泉@IT]

 セルフサービスデータ分析プラットフォームのAlteryxは2019年4月15日、日本法人アルテリックス・ジャパンの開設を発表した。来日したプレジデント&チーフ・レベニュー・オフィサーのスコット・ジョーンズ氏は、日本における売り上げの3けた成長を今後数年継続すると共に、アジアで最大の市場であり続けることを目標にしていると語った。

Alteryxプレジデント&チーフ・レベニュー・オフィサーのスコット・ジョーンズ氏

 Alteryxが提供する、社名と同じ名称の製品「Alteryx」は、Tableauとの共通点が幾つかある。どちらも「セルフサービスBI」のジャンルに分類できる。また、企業内個人が使い始め、これが部署から社内全体へと広がる展開を目指している。このため、コミュニティ活動を重視している点も共通だ。

 Alteryxの最大の強みは、「ETL」「データプレパレーション(データ準備)」などと呼ばれる前処理の部分にある。「ツール」と呼ばれる細かなデータ処理機能ブロックを線で結ぶことにより、分析のためのデータ処理パイプラインがノンプログラミングで設計・実行できる。データ準備というと一般の企業内個人には難しいイメージがあるが、Alteryxを使えば「Excelよりも簡単」という人もいる。こうしたことから、Tableauと組み合わせて使われるケースもある。

 なお、データアクセスガバナンスは組織として確保する必要があるが、Alteryxはこれを制御する機能を備えている。また、典型的なデータ処理パイプラインの一部をIT部門が社内ユーザーに提供するケースもあると、ジョーンズ氏は話す。

 Tableauもデータ前処理の機能を徐々に強化しつつあるが、「Tableauのデータ準備機能は、Tableauに閉じている」とジョーンズ氏はいう。Alteryxは処理したデータをTableau以外にMicrosoft Power BIなど、さまざまなフロントエンドツールに提供できる。一方、「ファンシーなフロントエンド機能は必要ない、リポート機能が欲しいだけだ」というユーザーも多いといい、Alteryxではこの機能を備えている。

Alteryxでは、アナリスト/市民データサイエンティストと呼ばれる人たちを中心とし、データ分析のセルフサービス化に向けたプロセスに、熟練したデータサイエンティストやIT部門が関われるようにしている

 さらにジョーンズ氏が強調するAlteryxの特徴は予測分析機能。ノンプログラミングで誰もが容易に予測モデルを構築し、ビジネスに生かせることを目指している。

 上記の機能に、ワークフロー/データの共有および再利用の機能や、ガバナンス関連機能を組み合わせ、セルフサービスデータ分析の「プラットフォーム」と呼べる製品に仕立てているのだという。

既に日本では100社近くの顧客がいる

 Alteryxは日本で、既に100社近くの顧客を獲得しているという。その中には、本田技研工業、東洋エンジニアリング、全日本空輸などがある。一方、販売パートナーにはNTTデータ、LHit、KCCSモバイルエンジニアリング、クラスメソッドなどがいる。日本法人では、コミュニティ活動の活発化をはじめ、これらの顧客やパートナーのサポート、販売・マーケティング活動に力を入れる。

 日本法人の社員は現在10名だが、1年後には25名に増やしたいとジョーンズ氏は話している。

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