経済産業省は「攻めのIT経営銘柄2019」と「IT経営注目企業2019」を発表した。上場企業の中から、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向けて積極的なITの利活用に取り組んでいる企業を選定した。今回は特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業を高く評価した。
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経済産業省は2019年4月23日、東京証券取引所と共同で選定している「攻めのIT経営銘柄」の第5回目として、「攻めのIT経営銘柄2019」と「IT経営注目企業2019」を発表した。国内企業の戦略的IT利活用の促進に向けた取り組みの一環。
「経営方針・経営計画における企業価値向上のためのIT活用」「企業価値向上のための戦略的IT活用」「攻めのIT経営を推進するための体制および人材」「攻めのIT経営を支える基盤的取り組み」「企業価値向上のためのIT活用の評価」の5項目で評価した。
今回は、「DX推進ガイドライン」に基づいてデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業を高く評価したとしており、以下の29社を選んだ(証券コード順)。
アサヒグループホールディングスとブリヂストン、JFEホールディングス、JR東日本、三井物産、東京センチュリーの6社は5回連続、攻めのIT経営銘柄に選ばれている。ユニ・チャームとエーザイ、JXTGホールディングス、大日本印刷、丸井グループ、MS&ADホールディングス、三井不動産、三菱地所、パソナグループの9社は今回初めて選ばれた。
今回は、「デジタル時代を先導する企業」として「DXグランプリ」も選んだ。選ばれたのはANAホールディングス。
空港のスマート化や、デジタルサービスプラットフォーム、アバター推進、全社イノベーションへの取り組みが本格的で画期的であり、その実効性が高く評価された。また、人と技術の融合や役割分担の見直しによって空港オペレーションの生産性を向上させた。
同社では、経営企画にイノベーション戦略機能を新設し、既存のITとイノベーション機能を経営企画とITを担当する役員がリードしているという。さらに基幹システムを刷新するとともにイノベーションを掛け合わせることでDXを加速するとしている。
一方の「IT経営注目企業」は、「攻めのIT経営銘柄」に選定されなかった企業から、総合評価が高かった企業や注目されるべき取り組みを実施している企業を選定したもの。今回は、次の20社が選ばれた(証券コード順)。
「攻めのIT経営銘柄」の選定では、東京証券取引所に上場している約3600社を対象にアンケート調査を実施した。エントリーした448社の中から、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化に向けて積極的なITの利活用に取り組んでいる企業を業種区分ごとに選定した。
具体的にはアンケート調査の「選択式項目」と3年平均のROE(自己資本利益率)に基づき、スコアリングを実施し、一定基準以上の企業を、一次評価とした。二次評価ではアンケート調査の「記述式項目(企業価値向上のための取り組み)」と「攻めのIT経営を推進する取り組み」について、一橋大学の特任教授である伊藤邦雄委員長以下7人の選定委員が評価した。
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