AWS上でNutanixプラットフォームを自動展開できる「Nutanix on AWS」を提供へNutanix .NEXT 2019で発表

Nutanixは2019年5月8日(米国時間)、同社のイベント「Nutanix .NEXT 2019」における基調講演で、「Nutanix on AWS」あるいは「Nutanix in AWS」と呼ぶサービスを、2019年夏にテクノロジープレビューとして提供開始することを明らかにした。

» 2019年05月09日 19時30分 公開
[三木泉@IT]

 Nutanixは2019年5月8日(米国時間)、同社のイベント「Nutanix .NEXT 2019」における基調講演で、「Nutanix on AWS」あるいは「Nutanix in AWS」と呼ぶサービスを、2019年夏にテクノロジープレビューとして提供開始することを明らかにした(プロダクト名は決まっていない)。テクノロジープレビュー開始時には、Amazon Web Services(AWS)東京リージョンでの利用も実現するという。

 Nutanix on AWSは、AWSのベアメタルインスタンスサービスと、Nutanixのプラットフォームソフトウェアのライセンスを組み合わせたもの。ユーザーは、インスタンス利用についてはAWSに支払い、NutanixソフトウェアのライセンスについてはNutanixに支払うことになる。Nutanixのクラウドサービス担当CTO(最高技術責任者)であるビニー・ギル(Binny Gill)氏によると、新サービスではオンプレミス利用のライセンス体系を基本的にそのまま適用するが、最低利用期間/課金の時間的単位については、「よりクラウド的なものにする」という。

 基本的にはVMwareが展開している「VMware Cloud on AWS(以下、VMC on AWS)」に似ているが、下記のようにさまざまな違いがある。

 まず、VMC on AWSはVMwareが提供するサービスであるのに対し、Nutanix on AWSは上記の通り、サーバはAWSのプロダクトであり、プラットフォームソフトウェアのサービスはNutanixのプロダクトだ。

 また、Nutanix on AWSでは、AWSのAmazon EC2ベアメタルインスタンス(I3.metalインスタンス)をそのまま利用して、これにNutanixのプラットフォームソフトウェアをユーザーの設定に基づき、オンデマンドで自動展開する。このため、下記のようなメリットがあるとギル氏は話した。

  • Nutanixインフラを、ユーザー組織の既存のAmazon VPC(Amazon Virtual Private Cloud)内に構築できるため、インスタンスレベルでの管理はAWSのツールや機能を援用できる
  • ユーザー組織は、既存のAWSアカウントでベアメタルインスタンスをプロビジョニングできる
  • AWSの多様なネイティブサービスを、他のVPC内インスタンスと同様に活用できる
  • 新たなネットワーキングの仕組みを導入するわけではない(NutanixクラスタのAmazon VPCとの接続にゲートウェイを経由するわけではない)。VPCのセキュリティグループの一つとしてNutanixプラットフォームを割り当てられる
  • その上で、Nutanixクラスタ上では、同社の「Nutanix Flow」を活用したマイクロセグメンテーションが可能
  • オンプレミス環境とのネットワーク接続などに関しても、既存のAWSとの接続サービスおよび構成をそのまま活用できる
  • オンプレミスのNutanixクラスタとの連携で、ディザスタリカバリーやアプリケーションの機動的な移動など、さまざまな用途に対応できる

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