VMwareがBitnami買収へ、アプリケーションビルダーへの取り組みを強化「異種クラウドの抽象化でなく等価性実現」

VMwareは2019年5月15日(米国時間)、ソフトウェアパッケージングソリューションベンダーのBitnami買収で、両社が合意したことを明らかにした。VMwareはこれを通じ、アプリケーションビルダーおよびオープンソースソフトウェアへの取り組みを強化しようとしている。

» 2019年05月16日 08時30分 公開
[三木泉@IT]

 VMwareは2019年5月15日(米国時間)、ソフトウェアパッケージングソリューションを提供するBitnamiの買収で、両社が合意したことを明らかにした。

 Y Combinatorの卒業生でもあるBitnamiは、多様なオープンソースアプリケーションをパッケージ化し、全ての主要パブリッククラウドベンダーをはじめとする多様なデプロイ先への迅速で容易な展開とメンテナンスを助けるソリューションを提供してきた。一方VMwareは、「VMware vSphere」に従来通り力を入れる一方で、他社インフラ/プラットフォームにまたがるマルチクラウド環境の企業による利用を支援する取り組みを進めてきた。この取り組みは、利用管理/セキュリティから始まり、Kubernetes関連ベンダーのHeptio買収によってアプリケーションプラットフォーム/インフラに広がった。さらにBitnamiの買収で、アプリケーションビルダーへのアプローチを強化しようとしている。

 VMwareの狙いは、今回の買収に関する同社のブログポストの一節にもうかがえる。

 「私たちの目標は、オープンソースのソフトウェアアプリケーション/フレームワークを活用するシンプルな方法を提供することで、アプリケーションビルダーの『旅』を加速することにある。アプリケーションビルダーが、デプロイメントやインフラについて心配するのではなく、差別化につながる機能の構築に専念できるようにしたい。私たちはこれを、VM、コンテナー、SaaSなど、全てのクラウドと形式で行う予定だ。私たちの目標は、異なるクラウドプラットフォーム間で、抽象化ではなく等価性を提供することにある」

 VMwareは同じブログポストに掲載した下の図で、さまざまなインフラにまたがる存在としてKubernetesを位置付けている。この図にBitnamiはないが、Kubernetesに加え、パブリッククラウド、その他のサーバ仮想化インフラなど、この図に描かれた全てのインフラをカバーした、ソフトウェアのセットアップ/メンテナンスのプラットフォームとして機能することになる。

 Bitnamiはブログポストで、「VMwareと力を合わせることで、私たちは現在の製品/サービスの幅と深さを倍増させ、Bitnamiをさらに多くのクラウドに提供できるようになると同時に、エンタープライズ企業への取り組みを加速することができる」としている。また、「両社とも、Kubernetesとマルチクラウドの未来を信じている。両社はクラウドサービス事業者を含むエンタープライズ顧客を共有している。両社とも、エンタープライズに焦点を当て、企業がマルチプラットフォーム、マルチベンダーの世界をナビゲートすることを助ける製品/サービスを構築している」と述べている。

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