アナリティクスSaaSのLooker、「エンジニアフレンドリー」で日本市場開拓を本格化AmazonやLyft、Dysonなど1700社が採用

AmazonやLyft、Dysonをはじめ、グローバルで約1700社の顧客を持つというアナリティクスプラットフォームSaaS企業のLookerが2019年7月9日、日本国内での事業本格化に伴い東京都内でプライベートイベントを開催、これに合わせて事業を説明した。同社は2018年9月に日本法人を設立しているが、国内顧客はメルカリやリクルートグループ、ブレインパッドなど、約20社に上るという。

» 2019年07月12日 11時25分 公開
[三木泉@IT]

 AmazonやLyft、Dysonをはじめ、グローバルで約1700社の顧客を持つというアナリティクスプラットフォームSaaS企業のLookerが2019年7月9日、日本国内での事業本格化に伴い東京都内でプライベートイベントを開催、これに合わせて事業を説明した。同社は2018年9月に日本法人を設立しているが、国内顧客はメルカリやリクルートグループ、ブレインパッドなど、既に約20社に上るという。

 Lookerは、広義の「セルフサービスBI」に該当するプラットフォームのSaaS(例外的にソフトウェアとして提供するケースはあるという)。同社は製品の、「エンジニアフレンドリー」な特徴を説明した。

LookerのChief Product Officer、ニック・コールドウェル氏

 Lookerではデータソースに直接アクセスし、これにユーザー組織側が作成するデータモデル(セマンティックモデル)を適用して、分析/視覚化につなげるアーキテクチャとなっている。つまり、データをいったん複製し、ETL(抽出/加工/ロード)するプロセスは存在しない。このため、データをリアルタイムで分析したい、元データの真正性を確保したいというケースには、特に適しているという。

 データベースやSaaSなど、さまざまなデータソースに直接アクセスできるものの、「データベースについては、レガシーな製品ではなく、MPP(Massively Parallel Processing)アーキテクチャを備えたモダンなデータウェアハウス(DWH)製品の採用を推奨している」と、LookerのChief Product Officerであるニック・コールドウェル氏はいう。同氏は「LookerはAmazon RedshiftやGoogle BigQuery、Snowflakeのようなデータベースに最適化されている」とも表現し、こうしたDWHデータベースとの親和性を強調した。

 言い換えると、Lookerはアーキテクチャ的にデータソース(データベース)とは切り離されているため、性能を制御しにくいという懸念が生まれるが、SnowflakeやRedshift、BigQueryなどを採用するユーザー組織ならば性能、拡張性を確保しやすいようになっているとも表現できる。

 前述のデータモデルは、「LookML」という独自言語で記述する。Lookerでは、SQL文を細かく分割して管理する。Lookerは、LookMLの記述に基づきこれを活用してクエリーを生成する。LookMLはGitで一元管理ができるようになっている。コールドウェル氏は「ワークブックの氾濫(はんらん)を防げる」と話した。また、Lookerジャパンカントリーマネージャーの小澤正治氏によると、国内顧客の一社であるリクルートマーケティングパートナーズがLookerを採用した理由の一つに、分析の属人化を防ぎ、ガバナンスを確保することがあったという。なお、LookMLを扱うのは避けたいという場合、「Looker Blocks」というテンプレートが使えるようになっている。

 上記のクラウドDWHとの親和性、LookMLによる「コードとしてのBI」に加え、第3の特徴としてLookerが強調するのは、ダッシュボード機能が柔軟に提供できるという点。

 「データの力を、あらゆる人々が活用できるようにするためには、人々が使いたいツールにデータを組み込む方法を見出さなければならない。そこでLookerでは、例えばSlackとの統合を図り、ユーザーが自然言語でデータを活用できるようにしている」(コールドウェル氏)。Slack上でLookerのデータを閲覧するだけでなく、Slack側からのコマンドにより、Lookerからデータを引き出して分析できるという。

 また、Lookerのダッシュボード/データ視覚化機能は、API/URLで、さまざまなカスタムアプリケーションに組み込める。前出の小澤氏は、「1700のグローバル顧客の約3割は、アプリケーションへの組み込みでLookerを利用している。また、上図に示された国内顧客の8、9割は、社内に加えて社外での活用という観点で採用している」と話した。例えばJMDCは、レセプトデータベースに基づく製薬会社や保険会社向けの情報サービスで、Lookerを使ったセルフサービスBI機能を提供していくという。

 小澤氏は、日本での事業拡大に向けた取り組みの一つとして、日本における各種のデータサービスを、Looker Blocksのディレクトリに追加していきたいと話した。例えばプレイドは2019年7月9日、「CX(顧客体験)プラットフォーム」として同社が提供する「KARTE」で、Looker BlocksによるLookerとの連携を実現したと発表した。これにより、KARTEのユーザーは、想定される利用シナリオに基づいて事前に設定されたダッシュボードを即座に活用し、セルフサービスで詳細な分析ができるという。

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