ガートナーは「第4回最高データ責任者(CDO)サーベイ」の結果を発表した。企業情報管理やBI/アナリティクスと比べて、マスターデータ管理(MDM)の成熟度は低かった。機械学習やAI(人工知能)については、多くのCDOが重要だと回答した。
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ガートナー ジャパンは2019年7月18日、第4回CDOサーベイの結果を発表した。同調査は、世界中の最高データ責任者(CDO)や最高アナリティクス責任者(CAO)といったデータやアナリティクス分野のリーダー257人を対象に、2018年9〜12月に実施した。それによるとCDOらは、各種課題に適切な優先順位を付けているものの、バランス良く取り組むことに苦労していることが分かった。
まず、自社の情報やデータ資産の価値をどの程度客観的に評価、測定しているかを尋ねた。「財務的に測定している」と答えたCDOの割合は8%、「ビジネスプロセスに対する情報やデータ資産の主な影響を、主要パフォーマンス指標(KPI)を設定して測定している」と回答した割合は29%、「正確性、完全性、規模、活用状況など、データ品質に関する何らかの指標を設定している」は45%だった。「客観的に測定していない」と回答したCDOも19%いた。
この結果について、ガートナーのアナリストでディスティングイッシュトバイスプレジデントを務めるDebra Logan氏は「情報価値の測定では、データ品質に着目する傾向がある。重要な情報やデータ資産の財務的価値、あるいはビジネスプロセスへの影響を測定しているCDOは、そうでないCDOよりもデータ/アナリティクス(DA)チームが優れたパフォーマンスを発揮していると報告するケースが2倍近く多い。企業はこの事実を認識する必要がある」と述べている。
次に、「企業情報管理」と「ビジネスインテリジェンス(BI)/アナリティクス」「マスターデータ管理」(MDM)の成熟度について、5段階での自己評価を聞いた。これら3つは、DAプログラムの基本的要素だ。
結果は、MDMの成熟度に関する自己評価が相対的に低かった。具体的には、成熟度がレベル3以上と回答した割合は、BI/アナリティクスで75%、企業情報管理で66%、MDMで50%だった。
この結果についてガートナーのアナリストでシニア プリンシパルを務める一志達也氏は、「日本でも企業情報管理やBI/アナリティクスと比べて、MDMの成熟度は低い。今回の調査では、MDMの成熟度が高い組織は効率化やビジネス成果を実現しており、優れたパフォーマンスを発揮しているという結果が出ている」と述べている。
一方、DAチームに対してビジネスで期待する事項については、「データの品質、信頼性、アクセス性の改善」と回答した割合が最も多く55%(3つまでの複数回答)だった。次いで、「分析に基づく意思決定の促進」「ビジネス変革または製品変革の推進」「内部的なオペレーションの効率化」「売り上げ拡大の推進」が続いた。
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