Gartner、2019年以降の「無線技術」の10大トレンドを発表Wi-FiからV2X無線、遠距離無線充電まで

Gartnerは、無線技術の10大トレンドを発表した。Wi-Fiや5Gなど比較的なじみ深い技術から、無線センシングやバックスキャッタネットワーキングまで幅広い無線技術について扱っている。

» 2019年07月25日 19時30分 公開
[@IT]

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 Gartnerは2019年7月23日(米国時間)、無線技術について同社が予測した今後注目すべき10大トレンドを発表した。

 「無線イノベーションには、5Gやミリ波といった未成熟な技術が多くの分野に含まれている。こうした分野では、企業がまだ備えていないようなスキルが必要になる。イノベーションや技術変革の推進を目指すエンタープライズアーキテクチャ(EA)や技術イノベーションのリーダーは、革新的な新しい無線技術を見つけて試し、可能性について判断し、導入ロードマップを作成すべきだ」と、Gartnerのディスティングイッシュトリサーチバイスプレジデント、ニック・ジョーンズ氏は語る。

 Gartnerは10大トレンドについて次のように説明した。

トレンド1:Wi-Fi

 Wi-Fi(無線LAN)は長年にわたって使われている。今後、2024年まで、オフィスと家庭向けの主要な高パフォーマンス無線ネットワーキング技術であり続ける。一般的なコミュニケーションに使われるだけでなく、レーダーシステムや二要素認証システムのコンポーネントのような新しい役割も担うようになる。

トレンド2:5G携帯通信

 5G携帯通信システムは、地域によって異なるものの、2019〜2020年に導入が始まる。導入の完了には5〜8年かかる見通しだ。5G携帯がWi-Fiを補完する場合もありそうだ。空港や工場、港といった大規模サイトでは、5G携帯の方が経済的な高速データネットワーク技術だからだ。

トレンド3:V2X無線

 V2X(Vehicle to X)通信は、車車間(V2V:Vehicle to Vehicle:車両同士)や路車間(V2I:Vehicle to Infrastructure:車両と道路インフラ間)、歩車間(V2P:Vehicle to Pedestrian:車両と歩行者間)といった通信の総称だ。V2X無線システムは情報や状態データの交換だけでなく、安全機能やナビゲーション支援、インフォテインメントなど、多様なサービスに利用されることになる。

 ジョーンズ氏は次のように指摘している。

 「V2Xは、最終的には全ての新車の法的要件になるだろう。しかし、その前に、必要なプロトコルを組み込んだ車両が登場する。V2X無線システムが真価を発揮するには、5Gネットワークが必要になる」

トレンド4:遠距離ワイヤレス充電

 従来のワイヤレス充電技術では、充電器のすぐそばにデバイスを置く必要があったが、新しい遠距離ワイヤレス充電技術では、充電器から1メートル以上離れていても、デバイスをテーブルやデスクに置くだけで充電できる。

 「遠距離ワイヤレス充電により、いずれはノートPCやモニター、さらにはキッチン家電といったデバイスで、電源ケーブルが不要になるだろう。そうなれば、仕事空間や生活空間のデザインが一新される」(ジョーンズ氏)

トレンド5:LPWAネットワーク

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