第3回 強化学習を簡単に調整できるDeepRacerのコンソールとシミュレーターAWS DeepRacer入門(2/2 ページ)

» 2019年08月08日 05時00分 公開
[一色政彦デジタルアドバンテージ]
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行動空間の設定

 行動空間Action space)とは、

  • 車がどれくらいのスピードで進み
  • どれくらいのステアリング(=車の進行方向を変えるためのハンドル機構)角度で曲がるか(もしくは0度で曲がらないか)

の組み合わせにより定義される行動リストAction list)を自動作成するための、コンソール上の設定セクションである。具体的には図6および表1に示す設定項目がある。

図6 行動空間の設定セクション(ワークショップより) 図6 行動空間の設定セクション(ワークショップより)

設定項目 英語表記 デフォルト値 設定できる値
最大ステアリング角度 Maximum steering angle 30度(degrees) 130
ステアリング角度の分割数 Steering angle granularity 5 357
最大スピード Maximum speed 1 m/s(メートル毎秒) 0.88
スピードの分割数 Speed granularity 2 123
表1 行動空間に関する設定項目の一覧

 例えば、

  • 最大ステアリング角度=10度(もしくは逆方向に-10度)
  • ステアリング角度の分割数=3段階
  • 最大スピード=1 m/s
  • スピードの分割数=2段階

のように設定すると、ステアリング角度と走行スピードの組み合わせは3段階×2段階=6段階となり、図7のように6つの運転行動リストが自動生成される。

図7 行動空間の設定例と、自動生成された運転行動リスト 図7 行動空間の設定例と、自動生成された運転行動リスト

 より理解が深まるようにもう少し例を挙げておくと、ステアリング角度の分割数を例えば3段階から5段階に増やすと、-10度/0度/10度という3分割から、-10度/-5度/0度/5度/10度という5分割に変化する。

 また、スピードの分割数を例えば2段階から3段階に増やすと、0.5 m/s/1 m/sという2分割から、0.33 m/s/0.67 m/s/1 m/sという3分割に変化する、という仕組みになっている。

設定指針

 では、それぞれどのような数値を設定すればよいのだろうか。

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