監視カメラの映像を解析して危険物をリアルタイム警告 大日本印刷が開発動体の動きが途中で止まっても継続して追跡

大日本印刷は、監視カメラの映像を解析して注意すべき人物や物体の動きをリアルタイムに捉えて追跡表示する、機械式立体駐車場向けのセキュリティシステムを開発した。

» 2019年08月21日 08時00分 公開
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 大日本印刷は2019年8月20日、カメラと同社独自の画像処理解析技術を組み合わせた、機械式立体駐車場向けのセキュリティシステムを開発したと発表した。監視カメラの映像に映り込んだ「長時間動かない人物がいる」「見えにくい位置に人物がいる」「見えにくい色の服装をした人物がいる」「人物が車両内に残っている」「置き去りになった荷物がある」といった状況を画像処理解析技術によって検出して、画面上に警告を表示する。

画像 危険な状況の見逃し防止に役立つ監視サービス(出典:大日本印刷

 大日本印刷が開発したシステムは、同社独自のアルゴリズムで照明の変化や影、映り込みなどの影響を低減した上で、注意すべき人物や物体の動きをリアルタイムに捉えて追跡表示する。利用環境に応じてパラメーターの細かい設定も可能だ。一般的な画像処理ライブラリでは、人影を人物として検出してしまったり、1人の人物を複数の動体として認識してしまったりすることがあった。

 大日本印刷が開発したシステムは、同社独自の画像処理解析技術やセキュリティ技術とカメラを組み合わせた「DNPセキュア監視サービス」の1つとして、2019年12月に提供を開始する。第1弾として、虎ノ門ヒルズビジネスタワーの機械式立体駐車場に導入する予定だ。

事故要因の約8割が「無人の場所での確認不足」

 機械式立体駐車場の安全対策検討委員会が2014年に発表した「機械式立体駐車場の安全対策のあり方について報告書」によると、機械式立体駐車場では2007年〜2014年に重大事故26件を含む204件の事故報告があった。

 事故要因の約8割は「無人の場所での確認不足」。こうした状況を受けて国土交通省は2016年に「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」を策定し、施設管理企業は駐車場係員によるカメラ映像の確認やセンサーによる安全対策を実施してきた。しかし、センサーが異常を検知した際の現場確認や映像の常時監視など駐車場係員に高い負荷がかかり、異常を見逃したり対応できなかったりすることが課題になっていた。

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