NVIDIAは2019年11月6日(米国時間)、エッジAIチップの新製品、「Jetson Xavier NX」を発表した。製品名の「NX」は、同社の既存エッジAIチップ製品名である「Jetson Nano」と「Jetson AGX Xavier」から取ったという。両者の「いいところ取り」で、高性能、小型、低コスト、省電力を併せ持つものを開発したとする。
NVIDIAは2019年11月6日(米国時間)、エッジAIチップの新製品、「Jetson Xavier NX」を発表した。2020年3月に提供を開始するという。製品名の「NX」は、同社既存エッジAIチップのブランド名である「Jetson Nano」と「Jetson Xavier」から取ったという。両者の「いいところ取り」で、高性能、小型、低コスト、省電力を併せ持つものを開発したとする。
Jetson Xavier NXの位置付けおよび既存Jetson製品群との関係は、次の図でよく分かる。
Jetson Xavier NXは70mm×45mmで、NVIDIAのエッジAIチップで最も小さいJetson Nanoと同サイズ。消費電力は、最大10Wと最大15Wの2モードが使える。これは既存製品でいえば「Jetson TX2」と同レベル。
性能に関しては、384のCUDAコア、48のTensorコアを搭載し、10Wモードで14 TOPS(INT 8)、15Wモードでは21 TOPS (INT 8)を発揮するという(TOPSはTera-Operations Per Second)。これはJetson AGX Xavierシリーズの21〜32 TOPS(INT 8)に届く数値。価格は399ドルで、Jetson TX2とJetson AGX Xavierの間となっている。
「Jetson TX2との比較でいえば、Jetson Xavier NXは同レベルの消費電力で、より小型でありながら、性能は最大15倍に達する」と、自律マシン担当バイスプレジデントのロブ・チョンガー(Rob Csongor)氏は話した。
NVIDIAは新製品の用途として、小型、省電力が前提となるロボティクス用途で、ますます性能を求められるケースを想定しているという。チョンガー氏が説明した具体的な用途は次の通り。
第1に、ドローンなどの自律制御機器がある。チョンガー氏は13基の4Kビデオカメラを搭載し、物体認識/分類を行う現実のドローン製品の例を挙げ、こうした製品が機能をさらに向上するためには、ますます高い処理能力が求められると説明した。
第2に、「公共インフラや生産ラインで用いられるカメラセンサーは膨大な市場になると確信している」(チョンガー氏、以下同)。
第3の分野は高精細画像を分析するネットワークビデオレコーダー。「ネットワークビデオレコーダーは多様だが、多くの場合小型であることが求められる。秋葉原の店舗から物流倉庫における在庫管理まで、ますます大量のAI処理が必要になっている」
第4の分野は医療画像処理装置などの組み込み機器。チョンガー氏は小型DNAシーケンサーの例を挙げている。
日本では、例えば武蔵精密工業がXavier NXを生産ラインでロボティックアームと組み合わせ、製品不良検査の精度向上と高速化を図ろうとしているという。
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