2023年国内IT支出は年平均1.9%増の29兆円 ガートナーが予測を発表政府官公庁/地方自治体の成長率はマイナス

ガートナー ジャパンの、国内のIT支出に関する予測によると、2018年から2023年までの年平均成長率は全体で1.9%。2023年の支出額は約29兆円。年平均成長率が最も高い業種は金融で2.4%増と予測する。

» 2019年11月08日 08時00分 公開
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 ガートナー ジャパンは2019年11月7日、国内の業種別IT支出について、2023年までの予測を発表した。それによると、2023年までの年平均成長率は、全体で1.9%。2023年の支出額は約29兆円と予測する。

 2019年の日本のIT支出成長率は、対前年比3.0%増となる見通し。消費税増税対応やOSのサポート終了対応、働き方改革に伴う業務効率化対応などが後押しした。ガートナーは、前年の反動から2020年の成長率は0.9%増に減速すると見るが、2018年から2023年までは年平均1.9%増で推移すると予測する。その結果、2023年の支出額は29兆3155億円に達する見込みだ。

画像 2019〜2023年の日本の業種別IT支出予測(単位は「億円」、出典:ガートナー

金融や通信業界が伸び、政府官公庁、自治体が伸び悩み

 業種別に見ると、2018〜2023年の年平均成長率が最も高いのは金融で2.4ポイント増。2023年の支出額は約6兆7000億円と予測する。次点は運輸業と、通信/放送/サービスの2業種で、年平均成長率はいずれも2.2ポイント増。2023年の支出額はそれぞれ、1兆2261億円と、5兆4422億円の見込みだ。

 これに対して2018〜2023年の年平均成長率が最も低い業種は政府官公庁/地方自治体で1.2ポイント増、2023年の支出額は4兆1068億円の見込み。政府官公庁/地方自治体は、2020年の成長率が全業種の中で唯一のマイナス成長となる、0.1ポイント減が予測されている。

 一方、日本でIT支出額が最も大きい製造業の、2018〜2023年の年平均成長率は1.4ポイント増の見込み。ガートナーでは、事業モデルが課題解決型に変化しつつあり、ライフサイクル全体で収益を生み出すスマート製品へのシフトがIT支出の促進要因になっているが、昨今の貿易摩擦や新興国の製品需要の鈍化、原材料費や運送費の高騰などによって、IT支出に対しては慎重な姿勢が見られると分析している。

 ガートナーのアナリストでアソシエイト プリンシパルである成澤理香氏は、「金融業界では、マイナス金利による収益圧迫によって業務コスト削減に向けた投資が急務になっている。FinTechへの規制緩和による追い風もあり、サービスの高度化や顧客満足度向上など、競争力強化のためのIT支出が増加している。一方、運輸業界では、取り扱い荷量が拡大する一方、人材不足と過重労働が深刻化しており、省力化や自動化、安全対策のためのIT支出が見込まれる」と述べている。

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