Deloitteは、北米の急成長企業について年間ランキングを発表した。成長が著しいのはソフトウェアだった。ランク入りした500社のうち非上場企業をみると、その48%は、自社をSaaS企業またはエンタープライズソフトウェア企業と認識しており、12%はFinTech企業と認識していた。
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国際会計事務所のDeloitteは2019年11月7日(米国時間)、テクノロジーやメディア、通信、ライフサイエンス、エネルギー技術業界における北米を対象とした急成長企業の年間ランキング「North America Technology Fast 500」(北米テクノロジーFast 500)の2019年版を発表した。
北米テクノロジーFast 500は、過去3会計年度の売上高成長率で見た上位500社のランキング。今回は2015〜2018年度の売上高成長率に基づいている。
2019年版ランキングのトップ10のうち8社がソフトウェア企業だった。2019年版北米テクノロジーFast 500で1位となったのもソフトウェア企業UiPath。
同社の創業は2005年。「誰もが1人1台、ソフトロボットを使えるようにする」というビジョンを掲げており、RPA(Robotic Process Automation)によって人々が面倒で反復の多い仕事から解放され、満足のいく価値の高い仕事に集中できるようにすることを目指している。これまでに世界の企業を対象に数百万に上るルールベースの反復的タスクを自動化してきた。
2019年版ランキングに入った500社の2015〜2018年度の売上高成長率は、1位のUiPathが37458%(約374倍)、500位の企業が166%で、中央値は439%だった。
500社の内訳をみると、非上場企業の割合が前年版から7ポイント上昇し、76%となっている。上場企業の割合は24%だ。
2019年版北米テクノロジーFast 500にランク入りした500社の本社所在地は、北米の41州にわたる。
本社が多い上位5つの地域についてまとめた表を以下に示す。シリコンバレーがトップとなったものの、トップ10のうち3社はニューヨークに本社を置いている。
2019年版北米テクノロジーFast 500にランク入りした500社を業種別にみると、ソフトウェア企業が最も多く、全体の68%を占める。
ランキングの開始以来、ソフトウェア企業の割合は一貫して5割を超えており、ランキングの首位は24年連続でソフトウェア企業だ。
ランク入りした500社のうち非上場企業をみると、その48%は、自社をSaaS企業またはエンタープライズソフトウェア企業と認識しており、12%はFinTech企業と認識している。ランク入りしたソフトウェア企業の2015〜2018年度の売上高成長率の中央値は、449%だ。
500社にランク入りした企業がソフトウェアに次いで多いのがバイオテクノロジー/製薬で、全体の11%を占める。売上高成長率の中央値は、402%だ。3位はデジタルコンテンツ/メディア/エンターテインメントで、全体に占める割合は10%、売上高成長率の中央値は439%だった。
2019年版北米テクノロジーFast 500にランク入りした500社のうち85%は、過去のいずれかの時点でベンチャーキャピタルの支援を受けた。中でも上位30社のうち28社は、ベンチャー資金を得ている。
なお、Deloitteは同日に創設25周年を迎えており、北米テクノロジーFast 500は25年間、毎年発表されてきた。これまでに6000社近くの北米企業が名を連ねている。
【訂正:2018年11月18日午前10時30分】本記事の初出時、本文3段落目で「ソフトウェア企業UniPach」とありましたが、正しくは「ソフトウェア企業UiPath」でした。お詫びして訂正いたします。該当箇所は既に修正済みです(編集部)。
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