デロイト トーマツ グループは「AIガバナンス サーベイ」2019年版の調査結果を発表した。同社は、AIに対する投資やAI専門家の投入を検討する際は、ある程度思い切った規模で始めることが重要だとしている。
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デロイト トーマツ グループは2020年1月24日、日本企業を対象とした「AIガバナンス サーベイ」2019年版の調査結果を発表した。企業でのAI(人工知能)の利用状況や、リスク管理、ガバナンス構築の実態を調査した。同調査によると、AIを利用している企業の約半数がPoC(概念実証)を実施していることや、AIのリスクは認識されつつあるものの対応方法が明確ではないことなどが明らかになった。
AIの利用状況について「利活用している」または「利活用に向けた取り組みを始めている」と回答した割合は56%。そのうち、本格運用する前にPoCを実施している企業は47%だった。
PoCを実施した企業のうち、その後本番運用したと回答した割合は73%、目的を達成したと回答した割合は62%だった。本番運用から目的達成への達成割合が1割しか減少していないことから、デロイトは「PoCでの実現可能性の評価が機能している」と分析している。
これに対してPoCを実施したものの本番運用できなかった企業にその理由を聞くと、「システム化や本番運用する体制・人材が準備できない」と回答した割合が51%(複数回答)、「PoCで目標としていた予測精度が達成できない」が47%、「ROI(投資収益率)が期待していた基準に達しない」が40%だった。品質やROIだけでなく、運用人材不足も原因だった。
一方、AIを利活用できていない企業にその理由を尋ねると、企画者人材の不足が最も大きな原因だった。具体的には、「PoCを企画する人材がいない」と回答した割合は42%(複数回答)、「活用すべきシーンが思い付かない」は39%、「AIついて理解していない」は37%、「予算が確保できない」は29%だった。
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