Googleは、「Active Directory(AD)」そのものを実行できる可用性の高いGoogle Cloudサービス「Managed Service for Microsoft Active Directory(AD)」の一般提供を開始した。オンプレミスとクラウドにまたがったドメインコントローラーの構成とセキュリティ確保が容易になる。
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Googleは2020年2月21日(米国時間)、Microsoftの「Active Directory(AD)」そのものを実行できる、可用性の高い強化されたGoogle Cloudサービス「Managed Service for Microsoft Active Directory(AD)」の一般提供を開始したと発表した。
2019年8月から公開βテストを続けて得られた顧客からのフィードバックを基に、Googleは同サービスの改良を進めてきた。
今回のADサービスが支援する内容は、ADに依存するワークロードの認証と認可の管理の他、ADサーバのメンテナンスやセキュリティの構成自動化、クラウドへのオンプレミスADドメインの接続だ。Googleはこのサービスの主要なメリットとして、次のような理由を挙げている。
今回のADサービスでは、実際のADのドメインコントローラーが動作する。そのため、アプリケーションの互換性を心配する必要がない。
グループポリシーのようなADの標準機能や、リモートサーバ管理ツール(RSAT)などの使い慣れた管理ツールでドメインを管理できる。
サービスの可用性が高く、自動的にパッチが適用され、安全なデフォルト設定で構成されている。さらに適切なネットワークファイアウォールルールで保護されている。このため、ユーザーのメンテナンスはほぼ不要だ。
今回のADサービスを特定のリージョンにデプロイすれば、同じリージョンはもちろん、他のリージョンのアプリケーションや仮想マシン(VM)であっても、低レイテンシの「Google Cloud Virtual Private Cloud(VPC)」を介してドメインにアクセスできる。
インフラを拡張する必要が生じた場合は、同じマネージドADドメインを使い続けながら、今回のADサービスを追加リージョンに展開できる。
次のような管理画面を通じて、オンプレミスのADドメインをGoogle Cloudに接続したり、クラウドベースのワークロード用にスタンドアロンドメインをデプロイしたりできる。
今回のADサービスを利用することで、一般的なADに関するタスクを簡素化でき、自動化が可能になる。なぜなら、Managed Service for Microsoft ADと「Cloud DNS」を統合し、新しいWindows VMのドメイン参加を自動化できるからだ。
こうしたADタスクの一例は、グループポリシーオブジェクト(GPO)の適用によるWindows VMのセキュリティ強化だ。この他、GPOによるリモートデスクトッププロトコル(RDP)アクセスの制御などにも有効だ。
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