Google CloudのAnthosがマルチクラウド対応を本格提供開始、仮想マシンのKubernetes管理もAWS対応は完了、Azure対応はプレビュー

Google Cloudが、ハイブリッドクラウドKubernetesクラスタ統合運用サービス「Anthos」のマルチクラウド版を一般提供開始したと発表した。今回のAnthosでは、仮想マシンのKubernetesによる管理や、ベアメタルサーバへの対応も新しい。

» 2020年04月23日 07時32分 公開
[三木泉@IT]

 Google Cloudは2020年4月22日(米国時間)、ハイブリッドクラウドKubernetes環境統合管理サービス「Anthos」のマルチクラウド版を一般提供開始(GA)したと発表した。今回のAnthosでは、仮想マシンのKubernetesによる管理や、ベアメタルサーバへの対応も新しい。

 AnthosはマネージドKubernetesサービス。Google Cloud Platform(GCP)では「Google Kubernetes Engine(GKE)」というマネージドKubernetesサービスがあるが、これと同じような環境をGCP外にも構築、GCP上の管理コンソールで統合運用できるという点が特徴となっている。

 当初はオンプレミス、つまりVMware環境とGKEのKubernetesクラスタ群を統合管理するハイブリッドクラウドの統合Kubernetes運用代行サービスとしてリリースされた。その後Google Cloudは2019年に開催した年次カンファレンスで、これを他のパブリッククラウドに拡張する意向を示していた。

 今回Google Cloudは、AnthosをAmazon Web Services(AWS)にも適用できるようになったと発表した。具体的には、Amazon EC2でGoogle CloudによるマネージドKubernetesサービスが使えるようになる。これにより、AWSおよびGKE(さらにはオンプレミス)にもKubernetesクラスタを展開しながら、これらを一括してGoogle Cloudに運用を任せ、インフラ活用の柔軟性を確保する、セキュリティ/コンプライアンス、構成の一貫性を確保するといったことに使える。

 Microsoft Azureへの対応についてはプレビュー版を提供開始したという。

物理サーバにも対応、仮想マシンの管理機能を強化

 新Anthosでは、仮想マシンの管理機能を強化したという。

 具体的には、Anthosの管理ツール「Anthos Config Management」を通じ、GCP上の仮想マシンの構成/ポリシーを、コンテナと同様、YAMLで管理できるようになった。また、今後数カ月中に、Anthos Service Mesh は仮想マシン上のアプリケーションをサポートするようになり、コンテナ/仮想マシン混在のアプリケーションに一貫した管理を適用できるようになるという。

 Anthosは今回、ベアメタルサーバにも対応した。任意の場所にある物理サーバ上にKubernetes環境を構築、GKE同様、Google Cloudに運用を任せられる。同社は用途として、エッジにおける利用が想定できるとしている。

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