IDCは、Open Compute Project(OCP)仕様に基づくインフラの世界市場について、今後5年間の動向予測を発表した。
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IDCは2020年6月1日(米国時間)、Open Compute Project(OCP)仕様に基づくコンピュートとストレージインフラの世界市場について、今後5年間の動向予測を発表した。
OCPはスケーラブルなコンピューティングを実現するために、最も効率の良いサーバやストレージ、データセンターなどのハードウェアを設計、提供することを目指す活動だ。
2020年におけるOCPインフラの売上高の伸び率は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、企業が手元資金の確保を進めていることを背景に、2019年よりもわずかに低下する見通しだ。だが、OCPインフラの売上高は今後5年間、年平均16.6%のペースで成長し、2024年には338億ドルに達すると予測されている。
この予測は、世界経済の堅調な回復に伴い、OCPインフラ市場が2021〜2022年に急速に回復することを前提にしている。だが、COVID-19危機と不確実な経済状況が長引けば、この市場の回復は2021年以降に大きく遅れる可能性がある。
OCPは現在、幅広いベンダーに受け入れられている。2011年に中規模から大規模のデータセンターオペレーター(ハイパースケーラー)の拡大するコンピュートインフラ需要を効率的にサポートする目的で、ハードウェア技術の設計に特化したオープンコミュニティーとして設立された後、OCPが策定した仕様は現在、Facebook、Microsoft、LinkedIn、Alibaba Group、Baidu、Tencent、Rackspaceといった市場リーダーによってサポートされている。インフラサプライヤーやハイパースケーラー、クラウドサービスプロバイダー、システムインテグレーター、コンポーネントベンダーに対し、OCPは幾つかの重要なカテゴリーでの新しいイノベーションや仕様、プロジェクトに共同で取り組むことを呼び掛けている。
IDCのインフラシステム、プラットフォーム、技術担当のリサーチマネジャー、セバスチャン・ラガナ氏は、「OCPは、コミュニティー内でイノベーションや設計をオープン化し、共有することで、特にハイパースケーラーやクラウドサービスプロバイダーの間で、データセンターインフラのイノベーションと開発の最も重要な指標的存在の一つになるだろうと、IDCは考えている」と語る。
IDCのインフラシステム、プラットフォーム、技術担当のリサーチディレクター、クバ・ストラースキー氏は、「IDCは、世界中で生成、送信、保存されるデータ量が急速に増加していくと予想している。こうしたデータの多くはクラウドに送受信され、ハイパースケールクラウドデータセンターに保存される。これによってインフラ需要が押し上げられる」と説明する。
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