欧州のクラウド推進団体CISPEは、クラウドサービスの調達仕様書や要件定義書の作成に向けた考え方など、競争的な調達プロセスを通じてクラウドサービスを調達する際のガイダンスを提供するハンドブックの和訳版を公開した。
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アマゾンウェブサービスジャパン(AWS Japan)は2020年7月17日、欧州のクラウド推進団体CISPE(Cloud
Infrastructure Services Providers in Europe)が『Buying Cloud Services in the Public Sector』(公共部門におけるクラウドサービス購入ハンドブック)の和訳版を公開したことを、同社のブログで明らかにした。誰でも無償でダウンロードできる。
このハンドブックの目的は、RFP(提案依頼書)を使った「競争的な調達プロセス」を通じてクラウドサービスを調達したいと考える公共機関にガイダンスを提供すること。クラウドサービスの調達仕様書や要件定義書の作成に向けた考え方の他、一般的なRFP文書のサンプル、クラウドサービスRFPの構成に関する解説などを掲載している。AWS Japanは、「『クラウド・バイ・デフォルト原則』(注)に沿って調達プロジェクトに取り組む調達担当者の教科書として活用できる」としている。
※日本政府が推進する「クラウドサービス利用を第一候補にし、府省のCIO(最高情報責任者)補佐官を企画段階から関与させる」という取り組み
同ハンドブックは、「従来のハードウェアやソフトウェア、データセンターを購入するIT調達方式をクラウドサービスの購入にそのまま適用できない」と指摘する。クラウドモデルは「料金表や契約ガバナンス」「契約条件」「セキュリティ」「技術的要件」「SLA(Service Level Agreement)」などが異なり、既存のIT調達方法では、クラウドが提供するメリットが減少または消滅してしまうからだ。公共部門がクラウドサービスを効果的に購入するには「クラウドフレームワーク契約」が有効だとしており、ハンドブックには、クラウドフレームワーク契約モデルの概要や購入についての説明が含まれている。
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