TIOBE Softwareが発表したプログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」の2020年9月版では、「C」「Java」「Python」「C++」「C#」が1〜5位を占めた。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
ソフトウェア品質の評価と追跡を手掛けるTIOBE Softwareは2020年9月版の「TIOBEプログラミングコミュニティーインデックス」(通称「TIOBEインデックス」)を発表した。
「C」言語が15.95%のレーティングで首位を獲得し、「Java」「Python」「C++」「C#」が2〜5位を占めた。TIOBEインデックスは、プログラミング言語の人気を示すランキングで、同社が毎月更新している。
各言語のレーティングを2019年9月と比べると、C++が1.48ポイント増と全言語で最も上昇幅が大きい。TIOBE SoftwareのCEOであるポール・ジャンセン氏は、新しい「C++20」標準の登場がこのような上昇をもたらした主な原因の一つかもしれないと述べている。「includeメカニズム」に取って代わると予想される新しいモジュール機能が、レーティング上昇に特に寄与したとの見方も示している。
C++は、2003年8月に同言語として過去最高の17.53%のレーティングを獲得し、2003年の「今年のプログラミング言語」(TIOBEインデックスのレーティングの年間上昇幅が最大だった言語)となった。だが、その後はレーティングが下降し、2005年以降は10%未満となり、2017年には過去最低の4.55%にまで落ち込んでいた。
C++に加え、「R」(1.33ポイント増)、C#(1.18ポイント増)もレーティングの上昇幅が大きい。これに対し、Javaのレーティングは3.18ポイント減と大きく下降している。
2020年9月の順位との比較では、Rが19位から9位へ、「Rust」が33位から18位へと、大きく順位を上げている。
TIOBE Softwareは、2020年9月のTIOBEインデックスの21〜50位のランキングも非公式に公開している。
なお、51〜100位のプログラミング言語については、違いが比較的小さいとして、次のようにアルファベット順に列挙している。
(Visual)FoxPro、ABC、ActionScript、Alice、Arc、Awk、bc、Bourne shell、C shell、CL(OS/400)、CoffeeScript、Crystal、cT、Elixir、Emacs Lisp、Erlang、F#、Factor、Forth、Icon、IDL、Inform、Io、Korn shell、Ladder Logic、Limbo、Lingo、Maple、MEL、Mercury、ML、NATURAL、OpenCL、Oz、PostScript、Pure Data、Q、Raku、Ring、RPG、Snap!、SPARK、SPSS、Standard ML、Stata、Tcl、Tex、Vala/Genie、Verilog、VHDL。
同社は知名度が高く、広く使われてきた言語について、5年ごとの順位もまとめている。FortranやLispなど非常に古い言語が順位を維持している中、Pascalは100位以下に落ちてしまっている。
TIOBEインデックスのレーティングは、世界の熟練エンジニアやコース、サードパーティーベンダーの数に基づいて算出されている。レーティングの計算には、GoogleやBing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon.com、YouTube、Baiduなどの広く普及した検索エンジンなどが使われている。なお、TIOBEインデックスは、「どのプログラミング言語が優れているか」や、「どの言語で書かれたコードの行数が多いか」を示すものではないと、TIOBE Softwareは注釈している。
同社はTIOBEインデックスの使い方として、「自分のプログラミングスキルが時流に合っているかどうかチェックする」「新しいソフトウェアシステムを作り始めるに当たって、どのプログラミング言語を採用するかの戦略的判断に役立てる」といった例を挙げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.