2020年9月15日(米国時間)にリリースされたDocker Desktop安定版の最新バージョンで、「Azure Container Instances(ACI)」との統合機能が新たに追加されました。Microsoftもまた同日、「Visual Studio Code」向けの「Docker Extension」の更新バージョンでクラウドとの連携機能を強化しています。
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Dockerは2020年9月15日(米国時間)、Windows版およびmacOS版の「Docker Desktop Community」の安定版リリース、バージョン「2.3.0.5」をリリースしました。Docker Engineは2020年7月リリースの前バージョンと同じ「19.03.12」ですが、このリリースには「Docker CLI」に「Cloud Integration(クラウドインテグレーション)」という新機能が追加されています(画面1)。
Docker CLIのクラウドインテグレーションは、ネイティブなdockerコマンドを使用して、クラウドのサーバレスコンテナ実行環境である「Amazon Elastic Container Service(Amazon ECS)」または「Azure Container Instances(ACI)」にアプリケーションをデプロイして実行できるというものです。
ACIへのコンテナのデプロイと実行については、MicrosoftとDockerのそれぞれから簡単に試すことができるチュートリアルが公開されています。現時点でDockerのドキュメントはEdgeリリース、バージョン「2.3.2.0」以降向けのものですが、この機能が安定版リリース、バージョン「2.3.0.5」から利用可能になったということです。
必要なものはDocker Desktopだけで、クラウドインテグレーションのために追加的なソフトウェアや設定は必要ありません(画面2)。Windowsの場合、Docker DesktopとともにインストールされるdockerコマンドをコマンドプロンプトやPowerShell、Bashシェル(Docker DesktopのWSLインテグレーションを利用)から実行することで、ACIにコンテナアプリを素早くデプロイできます。
MicrosoftはDocker DesktopのACI対応版リリースと同じ日に、「Visual Studio Code」向けの「Docker Extension」の更新バージョン「1.6」をリリースしました。この更新バージョンでは、「Azure Container Registry(ACR)」や「Docker Hub」のイメージを直接ACIにデプロイできるようになっています。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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