JIPDECとITRが実施した「企業IT利活用動向追跡調査2020」によると、テレワークや在宅勤務制度を整備した企業の割合が、2020年1月に実施した調査よりも約15ポイント増加した。電子契約を採用済みの企業は、2020年1月時点と変わらず約4割だった。
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日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)とアイ・ティ・アール(ITR)は2020年9月24日、「企業IT利活用動向追跡調査2020」の結果を発表した。それによると、働き方改革への取り組みとして、テレワークや在宅勤務制度を整備した企業の割合が、2020年1月に実施した調査よりも約15ポイント増加した。電子契約を採用済みの企業は、2020年1月時点と変わらず約4割だった。
JIPDECとITRは、毎年1月に「企業IT利活用動向調査」を実施している。今回の調査は、COVID-19がIT利用企業の考え方や行動にどのような変化をもたらしているかを把握するため、2020年7月に、国内727社のIT/情報セキュリティ責任者を対象として緊急に実施した。
働き方改革への取り組み状況を2020年1月に実施した調査結果と比べると、「テレワーク(モバイルワーク)制度の整備」や「在宅勤務制度の整備」「働き方改革に伴うITシステムの導入」が大幅に増加した。具体的には、「テレワーク(モバイルワーク)制度の整備」と回答した割合は2020年1月の27.6%から42.4%に約15ポイント増えた。「在宅勤務制度の整備」は25.5%から39.6%に約14ポイント増加し、「働き方改革に伴うITシステムの導入」は27.6%から35.9%に約8ポイント増えた。これまで働き方改革への取り組みは緩やかな進展にとどまっていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を機に大きく進んだ形だ。
働き方改革に向けてセキュリティ面で実施している対策を2020年1月時点と比べると、COVID-19に対応した新たな勤務環境に合わせてセキュリティ規定やシステムの整備が進んでいた。「在宅勤務、テレワーク用のセキュリティ規程の整備と教育」が27.3%から40.2%に約13ポイント増え、「法人向けのコミュニケーションツール(Web会議/チャット/メッセンジャー)の利用」が37.0%から45.1%に約8ポイント増加した。
一方、取引先選定時にプライバシーマークとISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の適合性評価精度の取得状況をCOVID-19の感染拡大以前よりも重視するようになったかを尋ねた。すると、「重視するように変わった」と回答した企業は30%を超え、「以前より重視しており、今後も重視する」と回答した割合を合わせると約60%に達した。JIPDECとITRは「取引先に訪問しにくくなっており、プライバシーマークやISMSのような第三者認証取得の有無が選定評価の判断基準として重要性が高まっている」と見ている。
最後に、電子契約の採用状況を聞いた。電子契約を採用済みの企業は2020年1月調査と変わらず約4割。ただ、今後採用を検討している企業の割合は、27.5%から35.6%に約8ポイント増加した。
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