AIと対話しながらモデルを構築する手法を慶應義塾大学と東京自働機械製作所が共同開発AIモデルのブラックボックス化を防ぐ

慶應義塾大学理工学部の桂誠一郎研究室と東京自働機械製作所は、AIによる演算結果を随時確認しながら対話的にモデルを生成できる「バイラテラルAI」の基盤技術を開発した。

» 2020年09月30日 08時00分 公開
[@IT]

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 慶應義塾大学理工学部の桂誠一郎研究室と東京自働機械製作所は2020年9月28日、「バイラテラルAI」の基盤技術の開発に成功したと発表した。バイラテラルAIは、設計者が用意した要素群を使ってモデルを最適化する手法。

 AI(人工知能)技術には、生成されたモデルがブラックボックス化するという問題がある。バイラテラルAIは演算結果を随時確認しながら対話するようにモデルを生成できるため、出来上がったモデルの意味を明確な数式で表現できるという。

画像 「バイラテラルAI」による対話的設計(出典:慶應義塾大学

人間とAIが相互補完する

 モデルの構築は次のような手順で実施する。まず、モデルを表現するために使用する要素群や評価関数などの「設計意図」(モデル学習の条件)を設計者が入力する。バイラテラルAIは入力された設計意図に基づいた演算結果を出力する。この演算結果を設計者が解釈し、必要に応じて新たに設計意図を入力する。

 桂誠一郎研究室と東京自働機械製作所は「こうした対話的な手順を採用することで、人間が培ってきた知識や経験、技能と、AIの大規模で高速な演算性能を効果的に協働させられる。人間の暗黙知や経験則、熟練技能などを物理的意味が明確な数式に基づく形でモデル化でき、ノウハウデータベースやスキルデータベースとして蓄積できる」としている。

 今後、バイラテラルAIを製造現場に導入することで工場のインテリジェント化や自動化を推進し、ものづくりの持続可能性の向上を目指すという。

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