医療分野に量子暗号を適用、NECらが電子カルテの伝送を量子暗号で秘匿化する実証実験高知医療センターと相互参照も実施

NEC、NICT、ZenmuTechは、電子カルテの伝送を量子暗号で秘匿するシステムの実証実験に成功した。データ伝送の安全性や、秘密分散を用いたバックアップと複数の医療機関の間でデータの相互参照がリアルタイムにできることを確認した。

» 2020年10月26日 08時00分 公開
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 NEC、情報通信研究機構(NICT)、ZenmuTechは2020年10月22日、電子カルテの伝送を量子暗号で秘匿し、広域ネットワーク経由で秘密分散技術を用いてバックアップするシステムの実証実験に成功したと発表した。同システムによって、高知市病院企業団立高知医療センター(高知医療センター)との間で、電子カルテの相互参照も実施した。

 今回の実証実験は、医療分野への量子暗号の適用が目的で、NICTが2010年に運用を開始した量子暗号ネットワーク「Tokyo QKD Network」上にシステムを構築した。SS-MIX(厚生労働省電子的診療情報交換推進事業)の標準規格に準拠した標準化ストレージ対応の電子カルテのサンプルデータを約1万件用意。この電子カルテを伝送する際に、量子鍵配送を用いてリアルタイムに暗号鍵を供給し、量子暗号で秘匿化した。秘密分散技術によるデータの分散管理や復元についても検証し、データ伝送の安全性や、秘密分散を用いたバックアップと複数の医療機関の間でデータの相互参照がリアルタイムにできることを確認したとしている。

本実証実験のシステム構成図(出典:NICT)

高精細映像や5Gなどを組み合わせる

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