Microsoftは、「.NET Core」の後継となるオープンソース開発プラットフォームのメジャーリリース「.NET 5.0」を公開した。.NETの各種フレームワークを1つの.NETに統合する計画に基づく最初のリリースだ。
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Microsoftは2020年11月10日(米国時間)、「.NET Core」の後継となるオープンソース開発プラットフォームのメジャーリリース「.NET 5.0」を公開した。
.NETは、Web、モバイル、デスクトップ、ゲーム、IoTといった多様なアプリケーションを開発するためのプラットフォーム。.NET Core、「.NET Framework」「Xamarin/Mono」が.NETファミリーを構成してきたが、Microsoftはこれらのフレームワークを1つの.NETに統合する計画を進めており、.NET 5.0は、この計画に基づく最初のリリースだ。
.NET 5.0は幅広い新機能が追加され、機能が改良されている。x86、x64、Arm32、Arm64に対応しており、Windows版、macOS版、Linux版が公開されている。.NET 5.0の公開に合わせて「ASP.NET Core」「EF Core(Entity Framework Core)」、「C# 9」「F# 5」もリリースされた。
.NET 5.0は、Windows上では「Visual Studio 16.8」以降、macOS上では「Visual Studio for Mac」最新版で利用可能だ。「Visual Studio Code」のC#拡張機能は、.NET 5.0とC# 9を既にサポートしている。
Microsoftは、.NET 5.0のハイライトとして以下を挙げている。
.NET 5.0は、Windows、macOS、Linuxのプラットフォームサポートマトリックスに関しては、「.NET Core 3.1」とほぼ同様だ。サポートされているOSで.NET Core 3.1を使ってきた開発者は、ほとんどの場合、同じOSバージョンで.NET 5.0を導入できるはずだ。NET 5.0における最も重要なプラットフォームサポートの追加は、Windows Arm64だ。
.NET 5.0はカレントリリースであり、.NET 6.0の公開から3カ月後までサポートされる。Microsoftは.NETのメジャーリリースを毎年11月に公開することを計画しており、.NET 6.0は2021年11月に公開される予定だ。このため、.NET 5.0は2022年2月中旬までサポートされる見通しだ。
なお、.NETは、奇数年に公開されるリリースがLTS(Long-Term Support:長期サポート)リリースとなり、3年間サポートされることになっている。.NET 6.0は、2019年11月に公開された.NET Core 3.1に続くLTSリリースだ。
Microsoftは、.NETファミリーの各種フレームワークを1つの.NETプラットフォームに統合する計画に基づき、.NET 5.0で.NET Frameworkの.NET Coreへの統合を行い、多くの開発者が.NET Frameworkコードおよびアプリを.NET 5.0に移行できるようにした。
Xamarin/Monoの.NET Coreへの統合も、.NET 5.0で行われる予定だったが、Microsoftは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行に伴う顧客ニーズの変化への対応を優先せざるを得なくなった。そこで同社は、Xamarin/Monoの.NETへの統合を、2021年11月公開予定の.NET 6.0で実現することを決めた。
Microsoftは2020年5月、クロスプラットフォームのネイティブUIフレームワーク「.NET Multi-platform App UI」(.NET MAUI)を発表し、.NET 6.0のリリースに合わせてこのフレームワークの一般提供を開始する計画を明らかにしている。これによってXamarin/Monoの.NETへの統合が完了することになる。
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