東芝デジタルソリューションズとDATAFLUCTは小売業の店舗単位での来客数予測モデルを機械学習で自動作成するサービスを発表した。両社がそれぞれ提供するクラウドデータベースサービスと自動機械学習プラットフォームを組み合わせることで、小売業のデータ活用を後押しする。
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東芝デジタルソリューションズ(TDSL)とDATAFLUCTは2021年4月21日、店舗ごとの来客数や消費者の購買行動の予測モデルを作成する機械学習製品「DATAFLUCT cloud terminal.×GridDB Cloud」を発表した。従来は専門家による分析、作業が必要だった店舗ごとの予測モデル作成を、自動で簡単かつ短時間で実行可能になる。
スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど小売業の店舗ではこれまで、来客数や消費者の購買行動を従業員の経験や勘に基づいて予測していた。近年では、消費者の購買行動とポイントカード情報をひも付けたID-POSや自動発注システムなどの導入で蓄積されたデータを活用する試みが進展している。
しかしTDSLは、蓄積されたデータを店舗経営に十分に生かせていないと指摘する。理由として「データ分析が不十分」「多岐にわたるデータに対応できない」「汎用(はんよう)的な予測モデルのため精度が不十分」「モデル作成の費用が高額」などを挙げた。
DATAFLUCT cloud terminal.×GridDB Cloudは、そうした課題解決を支援するための製品だ。TDSLが提供するリアルタイムにオンデマンド分析が可能なクラウドデータベース「GridDB Cloud」と、DATAFLUCTが提供する自動機械学習(AutoML)プラットフォーム「DATAFLUCT cloud terminal.」を組み合わせることで、店舗ごとに最適な予測モデルを簡単かつコストを抑えて短時間で作成できるという。
具体的には、GridDB Cloudに蓄積した自社データと外部データを教師データとして、DATAFLUCT cloud terminal.で予測モデルを作成する。マルチクラウド環境に対応しており、「Amazon SageMaker」「Azure Machine Learning」「Cloud AutoML Tables」が生成した予測モデルの中で最も精度が高いモデルを選択可能で、予測結果はリアルタイム予測ダッシュボードに表示される。
TDSLとDATAFLUCTは「変化し続ける社会情勢や顧客の購買行動を捉え、競合優位性を強化するためには、データを集約・分析し、データドリブンで意思決定ができる環境・文化をつくることが必要」とし、今後は発電予測や故障予兆検知などさまざまな分野で機械学習を利用した予測システムの提供を目指すとしている。
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