IDC Japanは、IoT/IIoTとOTシステムのセキュリティ対策に関する実態調査結果を発表した。セキュリティの事件、事故を経験した企業は36.4%。IDCは「外部ネットワークへの接続部分での事件や事故が多い」としている。
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IDC Japan(以下、IDC)は2021年4月27日、IoT(Internet of Things)/IIoT(Industrial Internet of Things)とOT(Operational Technology)システムのセキュリティ対策に関する実態調査結果を発表した。
IDCの調査によるとIoT/IIoT、OTに関するセキュリティの事件、事故を経験したことがあると回答した企業の割合は36.4%で、2020年に実施した調査と比べて2.0ポイント増加した。
経験した事件、事故の内容について、「生産/製造ラインやシステムの一時停止(一部停止)」を挙げた割合が25.5%(複数回答、以下同)で最も高かった。次いで、「マルウェアの感染(ランサムウェア、Miraiなど)」が24.8%、「情報/データの漏えい(外部犯行)」が23.0%、「工場やシステムの破壊/破損/故障」が18.6%、「なりすましによる不正ログイン」と「生産/製造ラインやシステムの完全停止」がどちらも18.0%だった。
IDCは「外部ネットワークへの接続部分での事件や事故が最も多い。インターネットや社内ネットワークに接続するIoT/IIoT、OTシステムの脅威リスクを再評価し、高度化するサイバー攻撃への対策を講じる必要がある」としている。
セキュリティ対策状況については、不十分と認識している企業の割合が47.7%。だが、セキュリティ対策の導入や強化を予定していない企業が19.0%あった。セキュリティ導入に関する課題については、経営に関わる「予算の確保」「導入効果の測定が困難」という課題や、現場に関わる「専門技術者の人材不足」「運用管理」「ユーザー(現場)教育」「導入作業」といった課題が25%を越えていた。
IDC Japanでソフトウェア&セキュリティのリサーチマネジャーを務める赤間健一氏は、「企業は引き続き“攻めのセキュリティ投資”によって経営リスクを低減し、経営基盤を安定化させることが重要だ。その上で、デジタルトランスフォーメーションを推進することで、中長期的な企業価値の向上につながる」と分析している。
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